火通り 炎魔女ヒエン

文字数 701文字

あたしは火通りを守る炎魔女、ファイア・ヒエン。
今日は重大な儀式の日。あたしもそれに出席しないといけないんだ。
火通りは、まさに炎地獄。あちこちに火が付いている。
火事が多いから、耐熱性の赤黒レンガでできた建物は、マジカルワールドの中でも、物好きなやつか、炎系の魔術師達しか立ち寄らない。
おっと、儀式の時間より早く出発しちゃった。しょうがない、その辺の店で時間を潰そうか。
あたしが入ったのは鉱石屋。魔法陣を作成するのに使う鉱石を塊で売っている。
そういえば悪魔召喚用のデビルストーンがなくなってたな。買っておこう。
次に入ったのは使い魔屋。といっても、見るだけだ。
一階には、新米魔女(…多分。)が数名いる。
二階はエサやり場になっているらしい。あたしはいっつも、一階しか行かないから。
最後に入ったのは杖屋。今使っている炎の杖の中に込められた魔力がなくなりそうだから、補充しないと。えっと、この杖はエルラルア製だから、エルラルア鉱石を用意して、と。
店の主人のデアに声をかける。
「デア。魔力込めに来たんだけど、部屋空いてるか?」
魔力込めは、一歩間違えると大爆発する。だから専用部屋を(個室)備えている。
ただ、メインストリートの杖屋は魔力込めをしてないから、そこだけはないけどな。
メインストリートはそこら中に魔力込め小屋がある。だからないんだろうな。
話がそれた。
「ああ、ヒエン様。ちょうど空いたところですよ。お急ぎですか?」
そうだよ。始まるまであと10分。
「でしたらご案内いたします。」
案内された部屋で、魔力込めをする。…新品同様の杖になった。
デアに料金を払って(本来無料)、さあ、メインストリートの先、王城に向かうか。
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