風通り 風魔女フウ

文字数 618文字

私はファラルア・フウ。ファラルア家当主で、風通りを治める番人。
私の家系、ファラルア家は、正直言って魔力が少なすぎる。常人よりは多いけど、数ある名家の中でも、トップクラスの少なさ。そんなファラルア家が、なぜ「特別」な風通りを治めていられるのだろうか。正直言って物凄く不思議だ。
今日は王家の儀式の日。新しい王の即位だ。
私も行かなければ。
他の通りを治める魔女は、もう出発してるわね。……説明し忘れた。
ファラルア家の中に、唯一秀でていることがあるとすれば……それは、「占い」とも言える能力。
大して魔力も使わずに、現在と未来を見ることができるの。
過去に関しては、先祖がその力を封印したらしい。私は興味ないから覚えてないけどね。
無駄話してる場合じゃなかったわ。早く向かわないといけないわね。
まあ、正直言って急いでも意味はない。現国王様と新国王様は、とんでもないのんびり屋で、どんな儀式でも、誰よりも、遅れて出てくるから。
まあ、念には念を入れるに越したことはない。
っていうか……私の時計ズレてるし。今度執事に頼んで直させないと……。
私が向かったのは馬小屋。馬に乗っていく……のか?よくわからない。だって、私が今から乗るのは……
私の使い魔である、風馬のヒュウだから。
『あれ、遅いね。遅刻?』
「うるさい。飛ばすわよ。」
『了解!』
風に溶け込むように走る。一番近くの路地で止まって、そこで大ジャンプ。
軽く飛び越えて、着地して。
そのまま、魔法城まで走っていく。
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