第12話 純文学風素材紹介。

文字数 1,212文字

まづはじめにことはつておきたいのは、私がパスタ屋など始めたのは、けして、イタリヤ料理に通じているからではなく、また、パスタやピッツァが殊更好きだから、というわけでもなく、ただ、私が商売を始めるにあたり、誰をも傷つけたくない、とりわけこの山奥のちひさな村で既に商売を営むひとたちを害したくない、そんな、気弱な遠慮からであって、ほんとうは私はおいしいごはんとおみおつけ、めざし、納豆、海苔、そして、新鮮な生卵、といふやうな、現在では「粗食」といわれるやうななつかしひ日本食を、一日三度、毎日食べても飽くことのない程に愛しているのである。

ただ、私は、素材の所謂「目利き」には、並々ならぬ自信を持つているやうで、つまりは、私の選別した素材を使う事で、何を作つてもおいしく作れるという、何やら尊大な、そして、どこまでも無根拠な自信だけは持つていて、それと、「食い物屋はおいしければ必ず繁盛するはずだらう」といふ、これまた無根拠で、身勝手な、ある意味無邪気とすらいへる信頼に基づいて、この商売を始めたのである。

前置きが長くなつてしまつたが、ブログリイダア諸君は、以上を念頭に置ひて、以下に述べる、現在私がこの店に集めてある食材につひての説明を読まれたし。


まづ、主役のパスタであるが、此は千葉の製麺所から取り寄せたいはゆる「生スパゲッティー二」を使用している。

製粉、製麺の過程に於て、熱を極力加へず作られている為、茹でるさいに初めて熱が加はり、独特の食感と小麦の薫りを生ずる。

もし、これ以上の品質を自作出来れば、自分で打たうと思ふけれども、なかなかに難しさうだ。

次に、トマトソオスであるが、夏期には知り合いの、村内の農家の物を使ふ。
有機低農薬で作つてあるさうだ。
平谷村は標高1000米付近に位置する高原であるため、朝晩の気温差が大きく、その為に、此処で産する野菜は大いに甘いのである。
ただ、作付け期間はみぢかく、平谷産のフレッシュトマトが手にはひらない時期は、他店同様イタリヤ産のトマト缶を使用している。
つまり、夏は甘く、冬は酸味のあるソオスとなるわけです。




あー、めんどくさ。

あと、箇条書きします。


オリーブオイル
イタリア・カデルモンテ社のエキストラ・バージンをすべてに使用。
がぶがぶ飲めます。

にんにく
国内産。出来る限り近くのモノ。最悪青森産。

ベーコン
お隣岐阜県恵那市串原の山のハム工房ゴーバルさんのベリーベーコン。
串原産の豚肉に天日塩・岩塩、黒糖、香辛料。添加物なし。

生ハム
イタリア、パルマ産の18カ月熟成プロシュート。

牛乳
お隣根羽村の低温殺菌乳、根羽牛乳。毎週月曜と木曜に搾乳及び製造。すぐに当店。

リコッタチーズ
根羽牛乳を使った自家製。岩塩、レモン汁添加。

モツァレラチーズ
岐阜県飛騨高山のチーズ工房トリデンテさんの地元の生乳で製造されたモノ。

ほうれん草
お隣阿智村産、ちぢみほうれん草あさぎり。有機低農薬。あー字数が。また機会があれば…。

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