05.水難 その1
文字数 3,334文字
かほりは君入はこういう人物だったなと何となく思い出してきました。
あなたたちは再度客間に行くことにしました。
君入がドアを押さえている間に、かほりは客間の中に入り、壁から写真を取り外しました。
額縁に入った写真を持ってロビーに戻ってきました。
かほりは額縁を裏返して蓋を外しました。中には写真以外には何も入っていませんでした。
かほりは写真をくるくると丸め、ズボンのポケットに差し込みました。
君入とアキは部屋2にやって来ました。
部屋2のドアは豪華な意匠の施された大きな扉で、鍵穴は見当たりませんが開きません。向こう側から何か封鎖されているのかも知れません。
部屋4に入る直前だった木坂とかほりにも、君入の声が聞こえました。
かほりは部屋4のドアノブを掴んで、がちゃっとドアを開きました。
そこは浴室とトイレでした。広々とした洗面所があります。
君入は洗面所の下の戸を開けてみました。そこには懐中電灯がありました。
かほりは浴室のほうを見に行きました。浴槽には蓋が被せられていました。
かほりが注意深く見てみると、浴槽の蓋の隙間から中の様子が少し見えました。赤く濁った湯が見えます。
かほりは、浴槽の中のお湯が血生臭いことに気が付き、みんなのほうを振り返りました。
アキはトイレのドアを開けました。中はごく普通の水洗トイレのようです。
アキがトイレの中に入って蓋を開けようとすると、突然トイレのドアが閉まりました。
水洗トイレがひとりでに流れ出し、どんどんと水が溢れ出てきます。
君入とかほりはトイレのドアをドンドンと叩きますが、全く開く気配がありません。
アキは重たいパンチをドアに思いっ切り叩き付けましたが、ドアは壊れません。
木坂はドアに頭突きをしましたが、全くビクともしません。
君入はライフルを構えました。