03.日記のきれはし
文字数 3,086文字
かほりは「ねえねえ」とアキを呼びます。
かほりは日記を木坂と君入に見せました。
かほりは本棚をよく見てみましたが、気になる本はありませんでした。
本棚には帝王学などの分野の本がたくさんありましたが、君入も日記を見付けることはできませんでした。
かほりは大きな金庫に近付き、開けようとしてみましたが鍵がかかっていました。
アキは金庫に怪しいところがないか調べてみました。
無理矢理こじ開けようとした痕跡はなく、外側には傷もなく普通に使われていた金庫のようです。
君入は日記のページの裏を見てみましたが真っ白でした。とりあえずそれを持っていくことにしました。
部屋3のドアはごく一般的なものでカギもかかっていません。
アキはドアを開けました。
部屋はかなり広い豪華なキッチンです。
大きなオーブンと大きな冷蔵庫があります。広い調理台やガスコンロ、流し台などがあります。調理台には引き出しがあります。
アキはキッチンの中に入ってゆき、冷蔵庫の前に行きました。
冷蔵庫の中から何か人ではない生き物の呼吸音が聞こえてきました。
アキにそう言われ、君入はアキの後ろに隠れました。
君入はキッチン入り口のドアを押さえに戻りました。
アキは調理台の引き出しを開けました。
中には様々な調理器具が入っており、使いやすそうな包丁に目が留まりました。包丁は三本あります。
アキは包丁を一本取り、残りの二本を君入に渡しました。
アキはオーブンをじっくり見てみます。オーブンは最新式のもので、火が入っていないので中身はよく見えません。
オーブンのドアを開けてみても中は暗く、照らせるものを持っていないので何も見えませんでした。
アキが調理台の上を隅々まで見てみると、先程書斎で見付けたような日記帳の1ページを見付けました。それは半分に破れているようです。
アキは君入に半分に破れたページを渡しました。
君入とアキの二人はキッチンから出てゆきました。