第14話 デ・キリコ展

文字数 584文字

 と、いうわけで(?)、連休を使用してデ・キリコ展に行ってまいりました。とても面白く、充実した体験でした。
 なぜ急にデ・キリコ展か、というと、先日私が提示した「描写しないという描写は可能なのか」という仮定のヒントになるのでは、と思ったからです。ですが、正直まったく違う表現でした。
 ちなみに、現代社会を生きる我々にはデ・キリコの絵画は全く難解でも不可解でもないと思うので、結構おすすめです。なんでも「形而上絵画」というらしいのですが、英語にすると"metaphysical"(メタフィジカル)で、今だと「メタ」「メタ」平気で使いますし、「メタる」なんて動詞化してたりもする、アレですアレ。絵画、メタっちゃってます。
 日常的にPhotoshopを使用する人はもう肌感覚で分かると思います。額縁の中にもう一つ額縁がある、その奥に窓(これ重要なモチーフでひたすら繰り返される)があり、全部フォトショのレイヤー分けされていて、そのレイヤーごとに遠近法の消失点や光源の方向が違う絵画なんですね。そして、画面内に謎の影が差し込んでいるのですが、ここまでくると謎でもなんでもない、額縁の外にあるレイヤーが示唆されているわけで、「他者」とするのか、「我々」とするのか……。

 帰り道で、推しのアクリルスタンドと記念撮影している女性がいて、最高にデ・キリコしてました。
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