第31話

文字数 598文字

 ドン、ドン、ドゴ―ン。

 城から離れた場所の広瀬川や竜ノ口渓谷に、とてつもない量の砲弾が竜巻によって雨のように降っていた。この城だけは俺が絶対守ってみせる!!
 お城の周囲はモクモクと煙が立ってきた。
 お城のみんなの安否を気遣っていると、俺は竜巻を発生させていることに疲れてきてしまった! うーー! 疲れたぞーーー!! 
 
 海からの砲撃がピタリと止んでくれた。
 おや? ……弾切れかな?

「トッーーーーウ!」

 俺は刀を振り回して、下方の戦場へと飛び込んだ。

 竜巻の中で、もう……家来なのか仲間なのか敵なのかもわからない乱戦だった。
 やたらめっぽうに剣舞をしていると、数分が一時間にも思えてきた。気がついたら野郎どもは、ほとんど斬り伏せられているんだな。

 俺はひたすら野郎どもを斬るのに夢中になっていると、死骸の山を築いていた。
 もう誰もいないやと思って、遠くを見てみると楠田先生と煤野沢がまだ戦っていた。

「風ノ助くん! こっちは煤野沢くんと二人海賊の頭を倒したぞ! 風ノ助くんは船に行ってくれ! 君の力で海賊の頭を全部倒すんだ!」

 少し離れたところから楠田先生の声が届いた。
 よし! 海賊の頭を見つけよう!
 海賊の頭は多分、遠い海の船に大勢いるはずだから、このまま浜辺を風で飛び越えて一人ずつ一騎打ちだ。

 そうと決まれば、いざ参る!
 俺は海に向かって宙を舞った。
 今じゃ強風に乗って空を飛べるんだな。
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