第28話

文字数 289文字

 遠い海で多くの海賊船が大きな音と共に、台風によって木くずをまき散らしながら沈んでいく。
 大絶叫の後、船の上の海賊たちは、皆海へと飛び降りていく。

 俺はその台風による大打撃を目の当たりにして城へと走り出した。 

「飯の時間! 飯の時間だーーー!!」

 俺は一の丸、二の丸を勢いよく駆け巡り、本丸の茶室に立夏ちゃんと豊子ちゃんがいるのを見つけた。木の香りがあって、とても趣きを感じるけれど、何か変だ!

 あ、そうか!
 きっと、この城には女中たちがいないんだ。 

 海賊たちが攻めてきてから、女中たちも逃げちゃったんだ!

 立夏ちゃんと豊子ちゃんは、仕方なく茶室でお茶漬けを静々と食べていた。

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