第3話:拾い物の従者に情がわく
文字数 767文字
ある日、ついにウチの従者たちに見つかってしまった。
家に連れ戻され、ツチオは“私を連れまわした”という理由で、父から拷問を受けた。
違うの、私から言い出した事なの。やめて。やめて。
子供の時に拾った拾い物の従者如きが折檻されているだけなのに、何故か私の心はぐしゃぐしゃになった。
**********
数日後、「あいつは死んだ」父が一言そう言った。
父に平手打ちをしたら、その何倍もの強さの平手打ちを返された。
ツチオを埋めたという森の奥に行き、その“埋めた”という土の上にうずくまって私は泣いた。
子供のようにべそべそ泣いて、そのまま地べたで寝てしまった。
ふと、物音を感じたので目を開けると、死んだはずのツチオが土の中から這い出ているのを目撃した。
小さく悲鳴をあげた私に気づいたツチオは、どうしてこんな所にいるのかと言いたげに、とても驚いた顔をした。
私は上等な服が汚れるのも構わずに、泥と血まみれのツチオに抱きついてわんわん泣いた。
ついでに口付けもしたら、とても慌てられ、肩を掴まれて引き離された。
ちょっと気絶しただけなのに「死んだ」とか、あのクソ親父。
バッカじゃないの。ばーかばーか。
「今、気づいたんだけど……どうやら私、あんたのコトが好きみたいなの。……あんたはどう? ねぇ、もう1回、私を連れて逃げてくれない? ……この命令には珍しく拒否権があるわよ。拒否してもいいわよ?」
……………………なんという、偉そうな告白か。後悔した。
だって、今の今までこういう事を言った事がないのだもの。仕方ないではないか。
尊大な態度の私にツチオは怒ることもなく、しばらく考えたような素振りをしてから、いつもの優しい笑顔で私の事をぎゅう、と抱きしめてくれた。
なんとかなるだろう。
私たちは着の身着のまま、どこかへ歩き出した。
家に連れ戻され、ツチオは“私を連れまわした”という理由で、父から拷問を受けた。
違うの、私から言い出した事なの。やめて。やめて。
子供の時に拾った拾い物の従者如きが折檻されているだけなのに、何故か私の心はぐしゃぐしゃになった。
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数日後、「あいつは死んだ」父が一言そう言った。
父に平手打ちをしたら、その何倍もの強さの平手打ちを返された。
ツチオを埋めたという森の奥に行き、その“埋めた”という土の上にうずくまって私は泣いた。
子供のようにべそべそ泣いて、そのまま地べたで寝てしまった。
ふと、物音を感じたので目を開けると、死んだはずのツチオが土の中から這い出ているのを目撃した。
小さく悲鳴をあげた私に気づいたツチオは、どうしてこんな所にいるのかと言いたげに、とても驚いた顔をした。
私は上等な服が汚れるのも構わずに、泥と血まみれのツチオに抱きついてわんわん泣いた。
ついでに口付けもしたら、とても慌てられ、肩を掴まれて引き離された。
ちょっと気絶しただけなのに「死んだ」とか、あのクソ親父。
バッカじゃないの。ばーかばーか。
「今、気づいたんだけど……どうやら私、あんたのコトが好きみたいなの。……あんたはどう? ねぇ、もう1回、私を連れて逃げてくれない? ……この命令には珍しく拒否権があるわよ。拒否してもいいわよ?」
……………………なんという、偉そうな告白か。後悔した。
だって、今の今までこういう事を言った事がないのだもの。仕方ないではないか。
尊大な態度の私にツチオは怒ることもなく、しばらく考えたような素振りをしてから、いつもの優しい笑顔で私の事をぎゅう、と抱きしめてくれた。
なんとかなるだろう。
私たちは着の身着のまま、どこかへ歩き出した。