第４話：従者と暮らす

　どこぞの村の民家の人に泊めてもらったり恵んでもらったりしながら、私たちは少しずつ生計を立てていった。
　ツチオは持ち前の人当たりの良さで大工業の人らと仲良くなり、私たちの家を作ってもらった。

　
　時の流れは早かった。
　気がつけば私は、彼との子供をこの手で抱いていた。
　なんという愛しい存在だろうか。私はその存在を抱きながら優しくあやし続けた。

　ただ、ひとつ残念なのは彼のキレイな赤い瞳がこの子に遺伝しなかったことだ。
　私は彼と初めて会った時、彼のその紅玉の瞳に惹かれたのだ。そのことを嘆くと、彼は苦笑いを浮かべた。



　恥ずかしいので詳しくは言いませんが、生活は穏やかで幸せなものでした。



　ふと、疑問に思う。
　出会って、もう20年以上経つというのに彼の見た目は昔と何も変わっていませんでした。

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　気がつけば、彼と息子は並ぶと兄弟のように見えました。
　それ程、彼は若々しい青年のままでした。



　数年後、息子は流行り病にかかり亡くなってしまいました。
　私も彼も悲しみました。
　特に、彼のあんな悲しそうな表情を見るのは初めてでした。