第3話 火が燃える

文字数 223文字

ほらご覧
あの人が あの幸せで親切なあの人が
私の心に火を灯す

私の心は突然燃え上がって
それまで凍っていた心が突然溶け出して
それで私は嬉しくなる
有頂天になって
他の誰かにも火を灯したくなる

あの人が分けてくれた火
一度火が着いたら
そのままでは居られない
誰かにも火を分けなくては

そう思い付いて身悶える
誰でも良いのだ
火が燃えさえすれば
誰でも良い

誰でも私の恋人になり
誰でも私の父母になり
誰でも私の子供になる

これは火の作用だ
燃え盛る火だけが
この不可能を可能にするのだ
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