第10話 ガラクタのペンダント
文字数 288文字
エメラルドグリーンの透明な輝き
プラスチックで型どられた透けるハート
五百円のオモチャのペンダント
あれは何処へいってしまったのだろう?
十歳の時になけなしの小遣いで買った
初めてのアクセサリー
あれじゃなきゃ嫌だ
大人になって
もっと高価な宝石も身につけた
だけど
やはりあれじゃなきゃ駄目なのだ
安物の緑のハート
ガラクタのペンダント
あのプラスチックの滑らかな表面が
舐めてごらんと私の舌を誘った
あんな風に
舐めてみたと思ったペンダントは
いまだかつてない
あれほどに握りしめてみたいと思ったペンダントは
まだ見たことがない
プラスチックの時代に生きて
プラスチックの心を踊らせた
私の胸に相応しいまがい物の宝石
プラスチックで型どられた透けるハート
五百円のオモチャのペンダント
あれは何処へいってしまったのだろう?
十歳の時になけなしの小遣いで買った
初めてのアクセサリー
あれじゃなきゃ嫌だ
大人になって
もっと高価な宝石も身につけた
だけど
やはりあれじゃなきゃ駄目なのだ
安物の緑のハート
ガラクタのペンダント
あのプラスチックの滑らかな表面が
舐めてごらんと私の舌を誘った
あんな風に
舐めてみたと思ったペンダントは
いまだかつてない
あれほどに握りしめてみたいと思ったペンダントは
まだ見たことがない
プラスチックの時代に生きて
プラスチックの心を踊らせた
私の胸に相応しいまがい物の宝石