第4話 犬っころみたいな愛

文字数 236文字

ねえ 私たちってラブラブよね
貴方の頭をフンフン嗅いで
ああ コタツ布団の匂いがする
幸せだなあ

痩せた胸に申し訳程度に
一本だけ生えている胸毛を引っ張って
ああ 存在の儚さを感じる
幸せだなあ

ちょっと待って
そんなの愛じゃない
そんなの犬っころがお互い匂いを嗅いで
お互い舐め合って 転がり合って
そんなふうにじゃれてるだけで

今すぐ止めなさいよ
そんな戯れ言
真実の愛を行いなさいよ
人間らしく

人間らしくって何かしら?
私は犬っころで良い
お日様の光を浴びて
暖かな匂いを背中から放つ
そんな犬っころで良い
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