親子の風景(11/3)

文字数 409文字

いい加減にしなさいと怒鳴り散らす
屈み込んで目線を合わせて言い聞かせる
何も言わずにすたすたと置き去りにする
抱っこして泣き止むのをひたすら待つ

今日一日で目にした場面は
たまたま出くわした切り取りで
前後の流れは知らず
何が正解なのかは僕には分からない

怒鳴り散らした親がいつも怒鳴っている訳でもなく
置き去りにした親にも正当な理由があるのかもしれない
言い聞かせている親が実は威圧的な言葉を並べている可能性もあるし
抱っこしている親が次の瞬間に怒鳴り始めることだってあるはずだ

僕はどれも経験している
ある時は怒鳴り
ある時は言い聞かせ
ある時は置き去りにして
ある時は抱っこし続けた

なのに、酷いなぁ、なんて思ったりする

親の立場でも子の立場でもないいい加減な立場で
古くなった経験を振りかざしてみても仕方がないのに
つい振りかざしてしまう

オジサンになった証拠だ

子供が泣いているのに
スマホをいじりながら無関心
これだけは経験していないので理解できないけど
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