第42話 黙浴

文字数 777文字

無名の偉人たちの名言42
 一生懸命練習してきた選手はなんも関係ない
     清掃会社役員 渡部一馬

「おー、今日は早いね。あれ競馬場行がながったのがい」

『朝にニトリで食器棚買って組み立てでだっけ、結構な時間かがってさ、してさっき函三郎で嫁さんど寿司喰ったら競馬場に行ぐの面倒になってやめて、今日はインターネット馬券』

「指定席事前予約必要なんだもんな」

『そうだ、いぢいぢ面倒くさくてな』

「先週行ったら、今まで来てた年配者の姿は少ないもんな」

『まずな、ネット環境のない年寄りはもう来るなってことが』

「何でもかんでもコロナの感染拡大防止の影響っておがしいな」

『オリンピックは無観客決定だしな』

「でもな一生懸命練習してきた選手はなんも関係ない」

『ハードルで函館出身の選手も出るしな』

「よく有名人が

とか言ってる奴に限って、日本人選手で誰かが金メダル撮ったりしたら、テレビの前で一番興奮して応援したりしてで、ツッコミ入れたぐなるよな」

『まずな。日本に入ってきたどっか外国の選手団で、移動中でもマスクしないのが当たり前みたいな記事読んだわ』

「広がるな、第5波か。もうそれで終わりにしてほしいな」

『そういえば、脱衣場の掲示板見だ?』

だべ。ちょっとしゃべりすぎでしまったな」

『んだ。さっき函三郎でも黙食って玄関に貼ってだ。でもみんなうるさがったで。隣テーブルのばあさんが家族に何回も

』ってしつこかった。ばあさんスポンサーだろう。だけど美味しいモノ喰ったら黙ってなんかいられないってな』

「黙って食って、黙って風呂入れってか」

『受刑者でないんだっての』

「おしゃべり野郎は生きにくい世の中だな。でも、もうちょっとの辛抱だ。去年から今まで辛抱してきたんだもの」

『んだな。もうちょっと頑張るべ、今日の露天ちょっと熱いな』

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み