2021年7月

文字数 2,404文字

「夏への扉 ―キミのいる未来へ―」
「そこそこの出来だが、3日で忘れる」系の映画。
「冷静に考えると、今やると色々とキモい」話を、巧いとは言えぬまでも下手ではない演出と設定変更で胡麻化してる手腕は見事。(誉めてるんです)
とは言え、1995年から30年後にするのなら、日本が舞台と云うのは根本的にかなり厳しいかも。
原作の舞台を日本に置き換えた日本映画だから仕方ないけど、逆に、1995年で始まり2025年で終るなら、中国・インドの都市部にした方が「30年でこれだけ変った」が判り易かったんじゃないかな?
……あと、サットン夫妻に当るキャラの「50代の俳優が演じる『夫』と30代前半の俳優が演じる『妻』」は流石に「画」として色々と無理が有る気がして、一瞬、成人してる実の娘に添い寝しながら「なぁ、家族が欲しくないか」とか口走る変態毒親かと思った。
よくよく考えたら「原作での主人公とヒロインの年齢差≒原作のサットン夫妻に当るキャラを演じてる俳優さん2人の年齢差」だが、そんな原作オマージュ要らない。

「クワイエット・プレイス 破られた沈黙」
評判よりは面白かったけど……何か、あからさまな「続篇作ります」エンドだなぁ……。
次は、子供達の世代の話になりそう。
ついでに、あくまで、俺が観た時の環境の問題だけど……集団で観に来ても、この映画ではしゃべくるな。恐くても悲鳴も上げるな。いっそ、上映中は館内の劇中に出て来たアレを解き放っておけ。

「SNS 少女たちの10日間」
ホラーもののネタとして使えそうなネタがてんこ盛り。しかし、男が観ても、かなりキツい。
3人の大人の女性が12歳と云う設定でSNSにアカウントを作るが……次々と寄ってくるクズ男4桁。一応、アカン女性も2桁(もちろん、アカンのは同性を性的対象にしてるからじゃなくて12歳を性的対象にしてるから)。
最初の内から「12歳の女の子に『や・ら・な・い・か』と言ってきた下衆男が、スタッフの1人の知人、しかも子供に接する仕事をやってる」って事が判明と云う……もう、阿鼻叫喚。
しかも、下衆男の大半が「心理学者から見ると小児性愛者の典型から外れている」……。要は……「幼児しか愛せない」からやらかしたのではなく、「支配/加害しないと性的興奮を得られないから、支配/加害しても無事で済む相手を選んでいた」訳である。
マジで、劇中に出て来た「12歳の女の子の自分からコンタクトを取る下衆野郎」の中で、相対的にマトモだったヤツこそガチの幼児性愛者だけど、まだ、心のブレーキが機能してる人間で、他のは幼児性愛者じゃないけど、心のブレーキがブッ壊れた屑じゃなかろうか??
まぁ……作り手側にも問題は有るだろうが……ここまで凄絶な事になると予想しろと云うのも困難だろう。
あと……下衆男どもの言動で一番ツッコミたくなった点は……男と女では、体、特に性器の構造が違うのに、何で、男が女に女向けのオ○ニーの方法を教える事が出来ると思ってんだ?「俺は、自動車は運転した事無いけど、バイクは良く運転してるんで、自動車の運転のやり方も他人に教える事が出来る筈だ」と思い込んでるようなモノだろ。

「ブラック・ウィドウ」
個人的には、アクション・シーンの映像的な驚きは、序盤の家の中に有るモノを使った戦闘やカーチェイスが一番デカかった。最後のアレも凄いけど、逆に、この御時世「ギリギリで現実でも有り得るけど、凄い/見た事無い」ようなアクションの方が評価は高くなる。
しかし、ヒーロー映画(デッドプール以外)で「スーパーヒーロー着地」に対するツッコミをやるとは……。
他人の技を完コピする能力を持つタスクマスターの設定のコミックからの改変はかなり巧くやってる。
タスクマスターの正体が明かされた途端に「あ、このラスボス、殺してもいいヤツや」感が大幅にUP。ネタバレの為、逆に書いてます。→たしまてしうぞいかにきいへんげんに、にでいつるすうょりちっをめすむたしがけおお、にくげあたっかなてじんかてんなうょじいあにめすむのそはすぼすら、らたいていだいをんかくあいざにとこたっましてしろこをめすむのすぼすらてしとうよしつさんあをすぼすら、がうこんじゅし、いあばのがいえのこ、どけたいもにんたいるたくやくかのずむとぼいへきうこうそ、はつやたてしをねまなうよたに
……まぁ、そもそも、ラスボスは「オタクから見ても気持ち悪い事極まりない、こじらせた萌えオタが、何かの間違いで権力を持ってしまったら」と云うヤツなので、容赦なく殺した方がいいが。
あと、マーベル映画の恒例で、このシリーズを追い掛けてる人は、エンドクレジット後も席は立たない方がいい。
確かに、そう繋がるのも納得。

「ゴジラ VS コング」
まぁ、予想通り、アレが出ました。
00年代のアレへのオマージュと思える設定でしたが……どう考えても、00年代へのアレよりマズい。
以下、ネタバレにつき逆に書いてます。
いてっせういと、ろだそうらたっかなしうそうぼ、ういとるいでんこみくをぶちいのいたいのらどぎぐんき、はらじごかめのいかんこ

「Arc アーク」
う〜む、ひょっとしたら、SFの中には映像化するに当って、判り易い起承転結の有る、いわゆるエンタメ映画にしにくい、芸術映画のような作品にならざるを得ないモノが有るんじゃないかな?

「SEOBOK/ソボク」
終った後、近くの席に居たカップルが
「スパイものって聞いてたけど……何か違ったね」
と言ってたが……。
はい、その通りです。
完全なBLかつSFです。
で、SFとしては古いしツッコミ所が有りますが……BLとしては最高です。
あと、コン・ユは例によって例の如く「気が弱かったり優柔普段だったりで事態を悪化させる主人公or準主人公」。
ついでに、ブラック・ウィドウと同じく、如何にもな特撮多めのシーンより、通常の格闘シーンやカーチェイスの方が見応えが有ります。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み