第8話 2021/07/06

文字数 672文字

2021/07/06
水筒を置く音がうるさかった。
昨日の夜は泣いていた、久し振りに死にたくなった。
この病気が治ったとして何が出来るのだろう。
何も出来ることなんて無い。
またこのぎりぎり死ねない、不自由な生活に戻るだけ。
生きるだけでお金がかかるのに、それ以外何も出来ない。
やりたいことがあっても出来ない、出来る範囲が決まっている。
生まれ持った立場で振る舞わないといけないなんて。
生まれてこなければ良かった。
なんで貧乏人のくせに子どもなんて産むのだろう。
産んだなら何不自由なく育ててほしい。
借金まみれ、不要な労働、うつ病になるような環境。
どれもこれも親のせいだ。
何で自分なのだ、こんな気持ち分かりたくなかった。
早くいなくなれ、消えてしまえ、死んでしまえ。
自分の子どもがうつ病になったのに理解しようともしない。
誰のせいでこんなになったと思っているのだ。
心配なんて心だけで何にもならない。
久し振りに諦めのような、怒りで心が満ちていた。
テレビの音もうるさくて声も何もかもうるさい。
優しくなれない、そんな余裕はない。
毎日がだるくて身体が重たい。
いつ、元気な毎日が戻ってくるのだろう。
もとから元気ではなかった様な気がする。
毎日が、生きるのが億劫で仕方ない。
何で生きているのかも、ただ生まれてきたからとしか言いようがない。
生きている意味が、価値が見出せない。
毎日死にたい気分なのに、死への恐怖がなくならない。
やりたいことも失って、身体だけが年を取って。
貴重な時間を無駄にしている。
全部全部何をしたって無駄。
生きているだけ無駄。
何も出来ない。
何で自分なのだ。
なんで。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み