第7話 鉄の処女Ⅶ

文字数 477文字

(うっ…)
(ど……どうなったの……?)
みんな無事!?
あの爆弾の威力だぞ!? どうして無事なんだ!
アイゼルネさんは……?
大丈夫
イタタ……
フラウのマントにできないことはない! さっきの爆破の衝撃も全部吸収したはず!
パサッ
見ての通り無事だ
アイゼルネさん!
おいおい、そんなに強く抱き着くな
ラージム……爆破を防いだのはマントの手柄みたいに言ってるけど、マントの性質を状況に応じて変化させているのは私
それで、どうしてここを襲おうとしたの?
お前達が拷問と称して、捕らえたレジスタンスの同胞を次々と殺していることは知ってる!
なんの話だ……それは……
まぁいい……こうなった以上、お前の身柄は上に引き渡す
ラージム……そいつの上から下りていいぞ
合点! あとは任せた!
ジャララ
私はこいつを連れて行くから、お前も一度離れてくれ
は、はいっ!
(結局ハグできなかったな……)
そうだ、一つ言い忘れていた
……?
今夜、君の歓迎会をする
で、でも私はただの侍女なのに……
私達はもう家族なんだ……そこであらためてハグをしよう
(家族……)
親愛の証としてな
うん!
(笑った……)
(随分かわいいんだな……)
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登場人物紹介

主人公。孤児院で育ち、今は拷問師達のお手伝いとして雇われている。無表情だが、秘めた嗜虐性があり、実は一番拷問の才能があるのでは、と言われている。

鉄の処女(フラウ・アイゼルネ)。マントの素材を鋼鉄化、また形状を鋭利に変化させ、拷問を行う。常にマントを羽織り、その中に両手を閉まっている。

石抱(ラージム)。体重を変化させ、相手の膝の上に乗ることで拷問を行う。彼女の本当の体重を知る者はいない。

鼠の箱(ディグ・ファンシー)。ネズミを操り、かつては残虐な拷問を行っていた。その後、ネズミ達とくすぐり専門の拷問師に。

ネズミ。

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