第1話 鉄の処女

文字数 451文字

とある王国の収容施設、拷問棟にて
また同じ通路……
早くここで働く人達に会って挨拶をしないと……でも勝手に入って来てよかったのかな……
ギャアアアアア!!!
なんか悲鳴が聞こえる……
誰だ、お前
ヒャッ!?
怪しい者じゃないんです! 今日から皆様の身の回りの世話をするために雇われてここへ来ました! 
なんだ、新しい侍女さんか、一度孤児院で会ったな
確かに私は……その……未経験ですけど、私の血を浴びても若返りません! そんなの迷信です!
だから殺さないでください……
私はそんなことはしない……とにかく落ち着け!
勝手に入るのはまずいと思いましたが、挨拶をと思って……
でもどうやって入って来たんだ? 鍵が掛かってるし、見張りもいるだろうに
……無人で、鍵も開いてましたけど
まぁいい、私が様子を見て来よう
……と、その前に、鉄の処女=フラウ・アイゼルネだ、あらためてよろしく。君を串刺しにして鮮血を求めたりしないから安心しろ
……
(それにしても、誰になにを聞いて来たんだ……? 私に対する認識をあらためさせる必要がありそうだな……)
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

主人公。孤児院で育ち、今は拷問師達のお手伝いとして雇われている。無表情だが、秘めた嗜虐性があり、実は一番拷問の才能があるのでは、と言われている。

鉄の処女(フラウ・アイゼルネ)。マントの素材を鋼鉄化、また形状を鋭利に変化させ、拷問を行う。常にマントを羽織り、その中に両手を閉まっている。

石抱(ラージム)。体重を変化させ、相手の膝の上に乗ることで拷問を行う。彼女の本当の体重を知る者はいない。

鼠の箱(ディグ・ファンシー)。ネズミを操り、かつては残虐な拷問を行っていた。その後、ネズミ達とくすぐり専門の拷問師に。

ネズミ。

ビューワー設定

背景色
  • 生成り
  • 水色