第5話 身ごろの解体と洗濯

文字数 986文字

 だいたい着物を解体しおわったので、残りの『身ごろ』部分の糸を切り、糸の始末をしていった。
 この『身ごろ』は、着物のメインになっている布とも言えて、外すと36センチ×3メートル強くらいの長さのものが、左右二枚になった。
 『身ごろ』の糸の始末は、もうガンガン糸を抜いて行った。洋服につこうが、床が糸で汚れようが、あとで掃除すればいいじゃないか。それよりも糸を早く始末してしまいたい、と。

 そして、『身ごろ』の布には、肩に切り込みが入っていて、ここは布を切ってしまっていいのだろうか、と悩んだ。
 でも、何かでこの切込みが重要になってくるかもしれないし……と思い、そのままにして洗う事にした。

 洗うには、オシャレ着用中性洗剤を使うらしい。
 わたしは洗濯機でデリケート洗いにすればいいだろうと高を括っていたのだが、手洗いじゃなければやはりだめらしい。
 仕方がないので三メートル以上ある反物×2枚と、その他そで、えり、などを手洗いし、三回すすいだ。ものすごい重労働だった。

 ところで、洗剤をおおく体内に取り込むと、洗剤中毒というのになるらしく。
 (着物はどんな洗剤を使えばいいか調べてたら、書いてあったこと)
 わたしはそれをネットで見て、ちょっと怖くなった。
 というのも、前回『そで』部分を洗ったとき、とても洗剤が臭いなと思ったのだ。
 さらに、ほぼ濡れている布に、アイロンをかけるので蒸気がおおく出る。
 それを吸い込むのはとても身体に悪い気がした。

 なので、エアコンをつけながら、換気のためにまどを開け、マスクをした。
 今回は、簡単に布を伸ばすだけなので、さっと15分ほどで全部かけ終わった。
 丁寧に布の伸ばすのは、乾いたときにやればいい。
 伸ばした布は、風呂場に干すことにした。換気機能が抜群なのは風呂場だから。
 しかし、湿気が多いのは否めないけれど。

 干す段階で、『身ごろ』に入っている切込みのところは、そこで布を切ることにした。
 やはり長すぎるのと、どう考えても切込みが入っていては使えないと思ったからだ。

 あとは、乾くのをまって、再びアイロンをかければ洋服に仕立てられる着物の布になる!

 ああ、長かったよ。ここまでくるのに。

 ちなみに今日の作業時間は、三時間くらいかかってしまった。
 さらに重労働で汗だくになってしまった。
 着物リメイクは手間も労働力も時間もけっこう必要だ。




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