第６話　　美への執念２　加藤加奈

　すばるは加藤加奈と話していた。なぜかひなと一緒にいることの多い生徒だ。特に変わった所はない。ただ、かわいいことはかわいい。
「で、あんたはひな様がなんの努力もなく、あのまっすぐな脚になったと、そう言うのね!」
「そんなの当たり前だろ。生まれつきに決まってるじやないか。きっとロシア人の血とか混ざってるんだろ？」
加奈はすっかり見下した目で彼をみた。
「これだからボンクラ男は･･･」
彼は驚いた。
「まさか、違うと言うのかい?」
「そうよ。あのきれいなまっすぐな脚は日常生活でいつもバレエとヨガの正しい姿勢をしているからなの！その努力がどれくらいのものか、あんたにわかる ？」
すばるは某動画配信サービスで最近見た「巨人の星」の大リ―グ養成ギブスのことを思い出した。
「正しい姿勢って何？」
「あんたになんでそんなことまで言わなきゃなんないのよ 。 ただ、ひな様は絶対！なんだから」
そう言うと加奈はどこかへ行ってしまった。