始まりの詩

文字数 328文字

 永きに渡り伝えられてきた詩がある。
 吟遊詩人はもちろんのこと、魔国ガルフバーンの民ならば子どもまでもがこの詩を口ずさむ。


 遥か昔、見渡す限り緑の草原
 光あふれるこの地で
 陽が隠され夜へと変えられたとき
 闇と共に現れし異形の魔人、暗黒神ディレナーク
 一夜にして草原を焼き尽くし、砂漠へと変えた
 ()の者を蠍王と人は呼ぶ

 みなの涙も枯れ果て、絶望の雲が覆いつくした
 その闇を裂き星が流れ、竜頭の旅人きたる
 守護者たる彼のもとに集いし五人の賢者
 魔道を授かり、いざ蠍王を討たん!

 三度目の朝、ついに蠍王は(たお)
 竜頭の旅人、()の者を北の大地に封印す
 ここに魔国ガルフバーン(封印せし者たち)が生まれる
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み