時代の閉塞感と表現者たち 

文字数 1,360文字

今週は某動画投稿サイトで、2000年代に社会現象ともなった某アイドルの昔の動画を見ていた。
 
昔のアイドルは、一人一人が歌も踊りも全力でこなしていたんだなぁ。個性も強いし、気が強いのもバレバレだ。もちろん、自分の容姿の美しさも十分に理解している。そんな揺るぎない自信がある、ツワモノだけが持てる、強い輝きを放っていた。

「あたしはかわいいでしょ!歌も踊りも上手いんだ!私を見ろ!」というメッセージがビシビシと伝わってきた。

動画を見ながら、ふと考えた。 
あれ、この頃の日本って、こんなに明るかったっけ?今見ると、すごい陽気さだな~。 

それに比べて今は……。 

最近では毎日のように、誰かが別の誰かを傷つけようとする事件のニュースが流れる。  
アメリカンコミックスのキャラクターを真似して電車で暴れまわったり。
駅で無関係の人を刺してみたり。  
 
インターネットでは芸能人や有名人が笑い者にされ、罵詈雑言が飛び交う。
少子高齢化。コロナウイルス。人材不足。その一方で非正規雇用+安月給で働く人々。   

なんだか息苦しい時代になったなぁー、うぷ。


しかし、日本社会は本当に暗くなってしまったのだろうか?どうも二十年前も不景気だったようだし……。 

それともインターネットの普及で好き勝手言う人が増えたので、現実社会(建前)と、インターネット(一部の人の本音)とのギャップに、打ちひしがれている人が多いのだろうか? 

しばらく日本の実生活を経験しないで、海外に住みながら、日本語のネット界を放浪している私からすると、現代日本は閉塞感に満ちているように思える。なんかギスギス、トゲトゲ。余裕がない感じだ。 

でも日本で生きていた時は、毎日それなりに楽しいこともあって、美味しい物も食べて、季節の移り変わりなんかに趣を感じながら生きていた気がする。別に「時代の閉塞感。うう……。日本国の未来……。」と思いながら暗い気分で暮らしていたわけではない。 

若干ネットに毒されているのかもしれない。
ネット界だけで言うと、今の日本は間違いなく修羅の国だ。笑
  
ネットで(一部の人の)本音が明らかにされ、お互いに酷いことを言って傷つけてしまうから、
「ちくしょー。やっぱり俺は負け組なんじゃねぇか。社会に復讐して自分も死んでやるー」と思う人が増えたのでは?  
 
日本はやっぱり本音と建て前の国でいた方が上手くいくと思うが……。汗 ネットで他人を無茶苦茶にけなしている人は少しは責任を感じなさいな。  

まぁ、どうして日本が暗い感じになっているかの考察はさておき、表現者にとって面白い時代であることは確かだ。ちょっとギスギスしている時代。過渡期。不満が溜まり、何かそこから新しい物が芽生えようとしている兆し。

これを表現しない手はないのではないか?

絵とか音楽のことは知らないが、少なくとも小説に限って言えば、偉大な小説家は、その時代の社会の意識を作品に上手く反映させている。夏目漱石。太宰治。ジェイムス・ジョイス。後、他にもたくさん。笑 

私は全く偉大な小説家ではないが(←あえて言う必要なし)、それどころか職業作家ですらないけれど、その内、この時代が感じているものを小説という形で何か表現できればいいなぁ、と思うのであった。多分、我々は面白い時代に生きています。  

 
 


 



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