第6話

文字数 679文字

しばらくしてから兄の反抗期が始まった。いや、反抗期ではなく、兄は学校でいじめられてた。
それの鬱憤を私ではらすようになった。私は、家族を笑わせることに専念した。
ワザと馬鹿な事を言ったり、自作の歌を歌ったりとにかく小さいながらも必至だった。このままでは、崩れてしまう。そんな思いがあった。

まず、名前で呼ばれなくなった。【馬鹿】と呼ばれるようになったのだ。これは以後何十年と続く。
私たち家族はとても目をつけやすいのでいじめに発展してしまう事があるのだ。もちろん、常識という言葉は嫌いだがあえて使わせて
もらうが常識やマナーをもっていなかったのも問題の一部であったのだろう。

いじめの原因は兄が同じ友達の家にしょっちゅう通ってたのが原因らしい。(母親が言っていた)気持ちはとてもわかる。家に帰りたくなくて
他人のお家は幸せそうで、羨ましくて、それならそっちに行きたくなる気持ちは分かってしまう。
友達がいなくなった兄は、最初私を遊び相手にしようとしてたが、兄と私は3歳差。子供の三歳差は、とても大きい。遊び相手にならなかったのである。
それからは、ぱしりとなった。あれを買ってこい。あれをしてこい。出来ないと大きな声で怒鳴り物に当たる。

両親を見て育った私はただただ怖かった。今度は私が家に帰りたくなくなってしまった。
学校は楽しかった。ただ、担任の先生が嫌いだった。私が忘れ物が多いからである。しょっちゅう怒られてた。
寝る前に次の日の準備をする余裕などなかった。いつ、両親の喧嘩が始まるのがわからないのである。自分の身を守るだけで精いっぱいだった。
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