第7話

文字数 583文字

兄は弱い人間だった。姉とは仲良かったが、私に対しては唯一何の理由もなしに偉ぶる事が出来るから、私を虐める。
だから、私は彼にとっての妹を演じていた。大嫌いだった。本当は兄だとも家族だとも思っていなかった。
いつからだろうか、私は、自分が我慢すればすべてが一番早く収まるんだってことをしっていた。
たた、可哀相な人だととも思っていた。たぶん彼は和田家の中で一番優しくて優さがゆえに耐えられなくなってしまったのだから。
姉と兄は仲良くて、私は一人ぼっちで一人で遊ぶことが得意だった。
ある日、押し入れから兄の小学6年生の卒業アルバムを見つけた。普通は将来の夢や楽しかった事柄を書くのに兄は

カラスについて書いていた

私たちが住んでいたとこらは川口町で畑があり鳥避け用のネットで覆われていた。そこに、通学途中の兄と友人が通りかかり
カラスを助けようとしたが、友人に遅刻するぞと促され結局カラスが助けらなく、最後の文章でからすさん助けてあげられなくて
ごめんなさいと綴じられていた。小学6年生だと思えないくらいのへたくそな文章能力で馬鹿だなと思っているのに涙が止まらなかった

兄本人も悪いがそれ以上に家庭環境がここまで、人を変わらせるってことが怖かった。私もいつか母親みたいな人間になるんじゃないか?
汚い大人になんてなりたくなんて、私は私の中で成長を止めたのである。
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