一文小説集「ゴミ」等五篇

文字数 262文字

【ゴミ】

 いつもより長く停車していたゴミ収集車が去った後のゴミ捨て場に、「遺書」と書かれた封筒がぽつんと残されている。



【ゲームセンター】

 夜中のゲームセンターで、色とりどりに光る首吊り縄の周りに、笑顔の若者が集まってくる。



【煙】

 最近、近所の火葬場の煙突から出る煙が、「?」の形になっている日が多い。



【軽トラ】

 おっさんが哺乳瓶を飲みながら運転している軽トラとすれ違った時、その軽トラの荷台に、巨大な赤ん坊のはりぼてが載っていることに気づく。



【自動ドア】

 自動ドアが反応しなくなってきたので、そろそろまた病院に行かなければ。
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