天竜ゲキオコ
文字数 687文字
本も読まない、創作もしない、実質のところ趣味:寝ること、特技:寝ることの作者は近頃、某所において灰猫を相手に読んだ本の感想なんかをべらっべらと喋り倒している。
まああれも、悠吾が言うには「アリバイ作りでしょ?」で、徹矢が言っても「体面的なもんだろうなあ」ということで、私が思っても「ただの暇つぶし」にしか見えないものなのだが、そんな作者に毎度まいど付き合っている灰猫のことを私はかわいそうだと思う反面、天使だなとも感じ(多少のツンはご愛敬だろう)、正直、それでも他人事だった。
が、ここに他人事じゃ済まない息子が一人(正確には一匹)、出てしまう。
バジリオだ。
知っての通り(いや、知っている人の方が少ないのかもしれないが)バジリオは灰猫のパートナーであり、灰猫が作者に時間を割けば割くほどに自分とのニャンニャンな時間が減ってしまうため……要するに、落ちたのだ、雷が。
バジリオは、その、気象を自在に操る天竜の一族だ。
この翼ある竜が怒れば雷のひとつやふたつや100や200や……落ちて当然で、「死ぬかと思った」と黒焦げになりながらゲホッゲホしている作者の姿を見た誰もが(私を含めた誰もが!)その程度で済んで良かったじゃないかと思ったとか思わないとかまあそのあたりのことはともかくとして、結局のところはこのバジリオの暴発をきっかけにかのエリアナ氏が重い(と言うと彼女に焼き殺されそうだが)腰を上げ、それこそ動かざること山のごとしの地竜の王ルシアンを動かし、今に至る。
正直、嫌な予感はしたんだよ。
ルシアンが「めんどくさい!」を顔じゅうに書きちらかして私の前に現れた時は。
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