台湾カステラ
文字数 702文字
ともに名前が「ケイ」のため、彼だけが私のことをメイと呼ぶ。「紛らわしいから」というのが主な理由だが、実際のところ彼は私の名前をメイ・ケイフィールドと間違って覚えているらしいから「ばかなのはどっちだ」と、言ってやりたくもなる……名付け親のくせに。
「何がばかなんだ」
ともあれ私は言い返した。
ちなみに
「……もりもり食べておいて言うのがそれなの? いや、次は善処するけど」
「どうせこれだって君が買ったわけではないんだろうが」
「…………」そうだけど。
「その顔だと、
ご名答。
「駅ナカの催事コーナーで売っていたらしい」
基本的に菓子類は通販で買い求めるのだが、稀に徹矢が気を利かす。もちろん、
「あいつが電車に乗っている光景は想像がつかんのだがなあ」と、
確かに。
「それで? そろそろ本題入らない?」
「おお、そうだったそうだった」と、
「…………んん?」
なんだこれ? 聞いてた話と違うのか? どういうことだ?