一日目 3

文字数 411文字

 ピロピロとシンプルな音楽が流れた。


 亮介のスマートフォンは初期設定のまま変えていないので、最初から登録されている音楽が流れる。


 亮介は合コンの帰り道でスマートフォンを見た。


「メールだ。ああ、さっきの娘か」


 亮介にその気はなかったが、由香の勢いに負けて番号とメールアドレスを教えてしまった。


『今日は楽しかったですね。メールあまり使ったことないのでLINEしませんか?QRコード添付しました』


 亮介は顔をしかめた。アナログ人間の彼は電話とメールくらいしか使えない。LINE?QR?何語だ?


「何が言いたいのかさっぱりわからん」


 亮介は返信メールを送った。


『日本語でメールしてくれ。何書いてあるかさっぱりわからん』


 すぐに返信が来た。


『え?文字化けしてます?こちらの画面では日本語なのですが』


 亮介は苦笑いを浮かべた。


「全然伝わらない」


『悪い。もうメールしないでくれ』


 返信は来なかった。


――傷つけたかな?でもまだ無理だよ……。


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