第3話 息子の同級生の指が秘部に入ってきて

文字数 1,745文字

 謙信が立っていた。
 一糸まとわぬ姿で。

 状況が理解の限度を超えている。
 頭の中が真っ白になる。

 けれど、自分の中にいるもう一人の愛実――『女』の心は、謙信の股間が視界に入るなり、衝撃を受けていた。 
 その言語を絶する巨大さに。目が釘付けになる。
 腹を叩くほど勃起した謙信の肉棒。
 夫の武とは比べ物にならないほど巨大で、鉄のような固さを感じる。
 その肉棒に浮いた数本の青筋が逞しい。

 愛実の長く美しい髪から、湯がしたたり落ちる。
 長くて少しウェーブがかった睫毛には水滴がついている。
 今年四十歳になるとは思えない艶のあるスベスベした頬を湯が流れ落ちる。
 首から下にはシャワーの湯が間断なく降り注ぐ。

 愛実と謙信は、数秒見詰め合う。
 時間が止まる。

 先に動いたのは、謙信だった。

「おばさん! 好きだ!」

 咆哮し、一気に距離を詰められる。

 愛実の弾力と張りに満ちた、お椀型で形のいい乳を謙信に両方とも鷲掴みにされる。

「や、やめて! 何してるの! コラッ、謙信君!」

 やっと声が出るようになった愛実が抵抗する。
 しかし、謙信はそんな抵抗など意に介さない。
 水滴のついた愛実の乳を揉みしだく。
 謙信の手から愛実の乳がもれる。
 愛実は謙信の手首を持って引き離そうとするが、逆に謙信にさくらんぼのような乳首をつままれ、

「あん……」

 と思わず声を漏らしてしまう。
 力が抜けていく。
 
 謙信が愛実の乳を揉みしだきながら、ボクサー体型の肉体を密着させてくる。
 普段の知的な冷静さに不似合いな謙信の荒い息遣いが、愛実のうなじにかかる。
 それだけで鳥肌が立ってしまう。

 謙信に何度も両の頬にキスされ、うなじには唇と舌が這う。

「い、いや、ちょっと!」

 まだ抵抗する意思を見せる。
 しかし乳をさらに荒々しく揉まれ、乳首を指で捻られる。
 耳を謙信に舐められ、耳たぶを甘噛みされる。
 思わず愛実は目を閉じて、

「あはぁ……」

 と切なげな吐息を漏らしてしまう。
 
 感じてしまったことは、謙信に伝わってしまっただろう。

 愛実は驚愕していた――十歳以上も年下の、それも息子の同級生に乱暴に愛撫されて、感じている……。
 けれど愛実にも、大人の女の意地がある。
 簡単に落城するわけにはいかない。
 武と真治の顔を思い浮かべながら理性を取り戻し、精神的な立ち直りを図るが、

「あっ……あふぅん……」

 呆気なく徒労に終わる。
 謙信に乳首を強く吸われながら、甘噛みされたから。
 その瞬間、夫と一人息子の顔が消えていく。
 
 ふと、愛実は目を開けた。
 眼下で繰り広げられている肉の光景に見入ってしまった。
 まだ十七歳の少年に、下から強く乳を搾り上げられ、音を立てて乳首を吸われながら、時に甘噛みされる。
 こんな荒々しい行為は、武とは一切無かった。

 その謙信は、頭からシャワーの湯に打たれている。
 きれいな髪はズブ濡れになり、前髪から水滴がしたたり落ちている。
 それでも薄いきれいな唇で、自分の乳首を丹念に吸っている謙信に、愛実は切なさを感じた。

 乳首に歯を立てながら自分を見上げる謙信と目が合った。
 なぜかそれがキッカケで、愛実が我に返る。

「……ダメ、駄目よ……やっぱり駄目よ! あなたは息子の大事な友達なのよ! それに、おばさんは結婚して夫がいるし……」

「おばさんじゃないとダメなんだ! 僕にとって大切なのはおばさんなんだ! おばさんだけが大切なんだ!」

 胸が締めつけられた。
 熱い感情が心の奥底から込み上げてくる。
 これほど純粋な愛の気持ちをぶつけられたのは、何十年ぶりだろう。
 それでも、抵抗をあきらめない。
 このまま身も心も、謙信に委ねてしまいたい誘惑はある。
 だが、その誘惑に負ければ、愛実は謙信の『女』になってしまうだろう。
 夫の武も息子の真治も失ってしまう。
 妻と母としての矜持が、愛実に無抵抗を許さない。

「でもね、謙信君……アッ!」

 言葉を続けられず、愛実は思わず身悶えしてしまった。
 謙信の二本の指が、愛実の秘部に侵入してくる。
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