その9

文字数 930文字

「そういえば瑠花のリミッターはあともう少しだな。

これ,預かっていたけど返す」


とマコトは言い,煌めきと共に急にマコトの手元に出てきたレーザーガンをまず私に預け,

その後すぐレーザーガンと同じく出てきたアイグラスモニター付ヘルメットを
直接私に被せてくれた。


そしてヘルメットのアイグラスのモニターに

「ゲーム終了マデアト1分。スグニ帰還トナリマス。
心ノ準備ヲ願イシマス。」

と表示されていたのに気付きハッとした。

「わっ,もう私,帰らなきゃなんだね。

まだマコトくんに言いたいことが,うわっ!!」

と,強く切ないような気分に襲われながら私は言いながらも

体が突然宙に浮くような感覚に襲われ
マコトや見るもの全てが虹色に染まって見えそして光の粒となり,



その次の瞬間私の体はすっかり元のベースに戻っていた。


着地には困る事無く,虹の光の照らすその場に自然と立っていた。




ゲーム終了後となり、私は妹と一緒にいた。

成績の結果発表では私も妹も大したこと無く全体の中間位くらい。

でも参加賞とてカラフルなゲームロゴのキーホルダーを2人揃って貰えて,それが良い記念となった。



それから1か月後。

「あれお姉ちゃんキーホルダー付けちゃってホントハマっちゃったって感じのままだね!」

って妹に言い寄られて,

「まあね!」と返した私。


『サイバーレーザーシューティング』の記念キーホルダーは自慢として学校指定のリュックにぶら下げて

意気揚々としながら妹も登校する中「じゃあね」と手を振り合いながら妹とは別々の方向の学校へ向かった。


夏休みの宿題を提出し,その後の退屈な授業を
頬杖をつきながら聞いていたけど,

胸の中ではあの日を思い出せば今でもマコトとの思い出が鮮明に蘇り,輝いていて,特別。

まだ夏そのものな残暑の中だけど,その暑さを忘れる程。

その私だけの秘密は私だけの今日を彩っている。

その感覚が,大人しいみんなのこの教室ではどこか新感覚。




でも,切なくなる。

マコトとはまた逢えないのかなって心の中で探してしまう。


マコトにあんなに惚れさせられてちょっとやそっとじゃ満足出来ない私にされている場合では無いかと苦笑い。


だけど気持ちに素直じゃなきゃね!それでこそ私。

トキメキの予感を追い掛けてどこまでも駆けて行きたいな!!


ーENDー


























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登場人物紹介

瑠花(るか)・・・主人公。中学2年生。

瑠亜(るあ)・・・主人公の妹。小学6年生。

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