第10話
文字数 360文字
「はぁ。進路相談どうしよ。やっぱり手堅く公務員かな。」
「何をしているのだ。人間。」
そこには朝倉先生の姿になっている九尾が興味深そうに、夏菜子の手持ちの紙をぞいてきた。
「将来何になりたいのかって悩んでいるの。
この町が好きだから町のアピールしたいし。
早く働きたいし。」
「ほう。おまえの両親はどうした。この家にやっかいになって1週間経つが、姿が見えんが。」
「あー、両親は海外赴任中。」
「叶えてやろうか。」
「え?」
「オレ様の神通力ならば、思うままだぞ。」
「うーん。ズルはしたくないから今はいいや。」
「…水が入ったコップを持ってこい。」
「もう。人使い荒いなぁ。」
九尾は指にコップの水をつけてから、
夏菜子の額に円を描いた。
「冷た!何?」
「なんでも叶うおまじないだ。
後で何に使うのか考えると良い。そして神の奇跡をみて、尊敬しろ人間。」