第7話ー夢見る少女アリス(童話・オススメ)

文字数 713文字


「パパ……ママ……どこにいるの……」
 泣いてる少女が独り

「わたし……こわいよぉ……」
 少女は暗闇を歩き続ける

 スタスタ……スタスタ……
 歩く音が響き渡る

「いやっ……だれかたすけて……」
 真っ暗闇だった景色は上書きされ
 思い出の景色が甦る

「可愛い可愛い、僕のお姫様……パパがついてるよ」
「可愛い可愛い、私のお姫様……ママがついてるわ」
 可愛らしいベッドで両親に頭を撫でられる少女
 
「パパ……ママ……おやすみなさい……」
「「おやすみ」」
 
 深く暗い闇に堕ちる少女
 何も無い世界でただ独り
 
 沈む少女は安らかで
 溺れる少女に息は無い
 
 助けてくれる人は誰もいなくて
 この世界でただ独り

 底に堕ちて目覚めた少女
 顔の無い人の中でポツリと独り

「パパ……ママ……こわいよぉ……」
 泣きじゃくる少女の隣に二人

「‪✕‬‪✕‬‪✕‬、大丈夫?」
「パパとママが来たぞ」
 
 涙をドレスの袖で拭う少女
 二人の手に繋がれて笑顔を浮かべてる

 三人で観覧車に乗る少女
 空から見える景色は朧気で
 クレヨンで描いた絵の様だ

 観覧車から降りた少女
 そこに地面はなくてまた堕ちる

 堕ち続けた少女は空を飛ぶ
 
 空飛ぶ少女は鳥と仲良しで 
 空飛ぶ少女に羽はない
 
 蒼の世界でただ独り

 空飛ぶ少女は雲に行き
 雲のベッドで安らかに眠る
 
 夢見る少女は身に纏う
 青のドレスがお気に入り

 夢見る少女は甘えん坊
 パパとママに抱かれて眠る

 夢見る少女のドレスは赤色で
 白のドレスに着替えるの

 夢見る少女は胸の中
 パパとママの涙で顔濡らす

 夢見る少女はもういない
 高い場所から落ちちゃった

 夢見る少女は夢の中
 幸せな夢に包まれる
 
 夢見る少女は夢を見て
 パパとママに、さようなら
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