第1話
文字数 542文字
翔に出会たのは、深夜のマクドナルドだった。金がなくて、コーヒーだけでねばっていたら、そこへトレイにビッグマックセットをのせた奴が階段を上がってきた。
黒ずくめの服で、サングラスといういでたちで、僕と向き合う位置の少し離れた席に座った。
客観的に見てホストだと思った。
すすきののぼったくりバーで、1ヶ月間客引のバイトをやって、50万ちかく稼いで僕は東京に出て来た。
1年やればお店を持てるほどのお金が貯まると聞いてやってみたけれど、とてもじゃないけど、冬は無理だったね。寒くてやってらんなかったよ。
その金もとうとう底をつき、うっかり警察のやっかいになりそうだった時に、翔と出会った。
もっとも、やるとしたって、万引きや、ひったくりくらいだけどね。
翔にあとから聞いた話しだと、その時、僕は幽霊のように青白かったらしい。
腹が減って死にそうだったんだろうな。
翔の視線は僕を見つめたまま離さない。僕は、睨みつける気力もなかった。身体がずっしりと重く、頭は、ぼーうっ、としていた。
だけど、どういうものか、翔がトレイを持ってこっちに来た時には、ビックッとした。
さらに青ざめて、俺のこと殺す気だな。いきなり、そんな思いが頭をかすめた。
だから、まさか、これ食べる? なんて声かけてくるなんて思っても見なかった。
黒ずくめの服で、サングラスといういでたちで、僕と向き合う位置の少し離れた席に座った。
客観的に見てホストだと思った。
すすきののぼったくりバーで、1ヶ月間客引のバイトをやって、50万ちかく稼いで僕は東京に出て来た。
1年やればお店を持てるほどのお金が貯まると聞いてやってみたけれど、とてもじゃないけど、冬は無理だったね。寒くてやってらんなかったよ。
その金もとうとう底をつき、うっかり警察のやっかいになりそうだった時に、翔と出会った。
もっとも、やるとしたって、万引きや、ひったくりくらいだけどね。
翔にあとから聞いた話しだと、その時、僕は幽霊のように青白かったらしい。
腹が減って死にそうだったんだろうな。
翔の視線は僕を見つめたまま離さない。僕は、睨みつける気力もなかった。身体がずっしりと重く、頭は、ぼーうっ、としていた。
だけど、どういうものか、翔がトレイを持ってこっちに来た時には、ビックッとした。
さらに青ざめて、俺のこと殺す気だな。いきなり、そんな思いが頭をかすめた。
だから、まさか、これ食べる? なんて声かけてくるなんて思っても見なかった。