第6話

文字数 566文字

翔は僕のことを坊やと呼んだ。坊やだぜ、坊や……。

なるほど、翔がなにになりたいのかわかったよ。

翔は母親になりたかったんだろうな、きっと。死んだ母親になろうとしていたんだ。だって子供は良くも悪くも親の人生をやり直すようなもんだからさ。

で、僕はお母さんが欲しかった。

そんな二人が一緒にいたらどうなっちゃうのか見当もつかないけど、僕はゲイじゃないんだ。やっぱ、女が好き。

二人でいるときの翔は本当にお母さんみたいだった。仕草から、喋り方まで。

歩いていて、僕が道端にごみなんか捨てようもんなら怒るんだから。笑っちゃうよな。

翔、いったい何歳なんだよ? と思ったら僕より8つ年上だった。でも、実際には年齢不詳さ。どういったらいいのかなあ、芸能人もそうだろ?サバをよむなんて当たり前。まーそーゆーこと。

僕は18だから、一人のときなんかはエロビデオを見ながらオナっていた。そう、よくやるんだ。なにしろ、僕はまだ童貞なんだよ。

でもたまに翔に見つかる時もあるんだ。

そんときも翔はお母さんみたいに、あ、ごめんなさい。なんて感じでどこかに行っちゃうんだ。

翔には、身につけた上品さや、たしなみのよさといったものがあったからそのうちにだんだんと本当のお母さんのように思えてきたよ。

それでいてカッコいいし、何拍子もそろっていた。

わかるだろ?

ひのうちどころがないんだ。
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登場人物紹介

昼ドラ、ブルー★ベルベッドの登場人物


ボス

昼ドラ、ブルー★ベルベッドの登場人物


アキオ

昼ドラ、ブルー★ベルベッドの登場人物


幸子

昼ドラ、ブルー★ベルベッドの登場人物


翼(幸子の息子)

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