第5話
文字数 631文字
お腹もいっぱいになって、やっと血の気がさしてきた。
翔はシブい感じで僕を見ていた。見るからに頭がきれて、すごくハンサムだった。ちなみに僕はハンサムじゃない。自分で言うのもなんだけど、繊細な顔つきに、落ち着きのなさと、考え深さが同居してるんだ。けど、ポンポンとび出すセリフが愉快で、異彩を放ってるから、僕のことを気に入るやつはごくたまにいるんだ。(まさにそいつか翔だったってこと)
ここで夜明かしすることにきめていたから、それじゃあ、ごちそうさまと言って、翔に背を向け、哀愁を漂わせて行こうとすると、一瞬の間をおき、うちへこいよ、と翔は言った。僕は、人のいい微笑みを見せて、振り返った。
どっちがひっかけてるかわかりゃしないよな。
それでも、なんとなく男の人の家に行くのは、それなりにヤバいこともあるし、まだ気が許せない思いもあったけど、僕にそんな先のことを考える余裕はなかった。どうせ何も持ってないんだし、いざとなれば逃げりゃいいんだから、ここにいるよりかははるかにマシかと思って、ついていった。
終電が終わっていたので、翔のあとに続いてタクシーに乗り、東中野で降りた。駅のすぐ近くの静かな住宅街の一角にあるマンションの7階だった。
窓の外には、さっきまでいた新宿のビル群が立ち並んでいた。
そのあいだも、翔が変なことして来たらどうしよう。なんとなく、そんなことばかし考えていたけど、翔はいやらしいことなんか何もしてこなかった。
なのでその日から僕は翔と暮らし始めることになる。
翔はシブい感じで僕を見ていた。見るからに頭がきれて、すごくハンサムだった。ちなみに僕はハンサムじゃない。自分で言うのもなんだけど、繊細な顔つきに、落ち着きのなさと、考え深さが同居してるんだ。けど、ポンポンとび出すセリフが愉快で、異彩を放ってるから、僕のことを気に入るやつはごくたまにいるんだ。(まさにそいつか翔だったってこと)
ここで夜明かしすることにきめていたから、それじゃあ、ごちそうさまと言って、翔に背を向け、哀愁を漂わせて行こうとすると、一瞬の間をおき、うちへこいよ、と翔は言った。僕は、人のいい微笑みを見せて、振り返った。
どっちがひっかけてるかわかりゃしないよな。
それでも、なんとなく男の人の家に行くのは、それなりにヤバいこともあるし、まだ気が許せない思いもあったけど、僕にそんな先のことを考える余裕はなかった。どうせ何も持ってないんだし、いざとなれば逃げりゃいいんだから、ここにいるよりかははるかにマシかと思って、ついていった。
終電が終わっていたので、翔のあとに続いてタクシーに乗り、東中野で降りた。駅のすぐ近くの静かな住宅街の一角にあるマンションの7階だった。
窓の外には、さっきまでいた新宿のビル群が立ち並んでいた。
そのあいだも、翔が変なことして来たらどうしよう。なんとなく、そんなことばかし考えていたけど、翔はいやらしいことなんか何もしてこなかった。
なのでその日から僕は翔と暮らし始めることになる。