第17話
文字数 487文字
レジで売り上げを数えていた人に声かけ、翔を呼び出してもらった。
翔は僕を見てほほえんだが、ちょっと戸惑いをのぞかせていた。
僕はその顔を見てやっと幾らか安心したものの、不安から解放されることはなかった。
「いらっしゃい」玄関で人を迎えるような口調だった。
「翔、あのさ、悪いんだけどさ」と、なんだかぎこちない口調で言った。「お金を貸してもらえないかな?」
僕がそう言うと、翔が自分の不快感に気づいたことがすぐにわかった。
奇妙に年をとった女装したオカマがこっちに来た。僕を見やり、それから翔を見た。
この店の社長だと翔が僕に紹介した。
その人が口元にほほえみを浮かべて僕と話し始めた口調は穏やかで感じが良かった。この人にならなんでも話せるという気分になった。
その人がいなくなると翔は目をあげて僕を見て、いくら欲しいのか聞いた。
とてもまともに翔の顔を見られなかった。僕がためらうと、翔がレジの方に行き、10万持って戻ってきた。
「これでたりる?」
僕はうなずき、「ありがとう翔、必ず返すから」と言ったけど、翔は何も言わなかった。
そのお金を折りたたんでジーンズのポケットに入れ、僕は北海道に戻った。
翔は僕を見てほほえんだが、ちょっと戸惑いをのぞかせていた。
僕はその顔を見てやっと幾らか安心したものの、不安から解放されることはなかった。
「いらっしゃい」玄関で人を迎えるような口調だった。
「翔、あのさ、悪いんだけどさ」と、なんだかぎこちない口調で言った。「お金を貸してもらえないかな?」
僕がそう言うと、翔が自分の不快感に気づいたことがすぐにわかった。
奇妙に年をとった女装したオカマがこっちに来た。僕を見やり、それから翔を見た。
この店の社長だと翔が僕に紹介した。
その人が口元にほほえみを浮かべて僕と話し始めた口調は穏やかで感じが良かった。この人にならなんでも話せるという気分になった。
その人がいなくなると翔は目をあげて僕を見て、いくら欲しいのか聞いた。
とてもまともに翔の顔を見られなかった。僕がためらうと、翔がレジの方に行き、10万持って戻ってきた。
「これでたりる?」
僕はうなずき、「ありがとう翔、必ず返すから」と言ったけど、翔は何も言わなかった。
そのお金を折りたたんでジーンズのポケットに入れ、僕は北海道に戻った。