第13話
文字数 2,123文字
人って、なかなか変わることができないと思っていた
でも、1日で、おじいちゃんがこんなに変わるとは・・・
しかも、まだ今日は終わっていない!!
現在、夕方の16時。
100均に行ったことがないおじいちゃん。
説明するより連れて行ったほうが早いと、椎名と連れて行くことになった。
近くの100均は、ここからだと10分はかからないが、おじいちゃんでは何分かかるか・・・
なので、向井さんが車椅子を貸してくれた。
大竹さんが「車椅子は、病院の床みたいにツルツルしたところだと軽くて楽に動かせるんだけど、道路では、そんなに軽くならないのよ。男の人を乗せた車椅子は、特に重いだろうから、優くんが押してあげてね」と言った。
「あたしが押すので・・・」と久々、あたしが話すも、おじいちゃんがすかさず「俺がやるから大丈夫、大丈夫。手でこうやればいいんだろ?」と、車を回す仕草をした。
「片手でなんか出来ないよ。あと、大は身支度しなきゃね。」と大竹さんがハサミを取り出した。
おじいちゃんは、おばあちゃんが死んでから髪の毛を切っておらず、ボサボサになっていた。
「そんなのいいよ」とおじいちゃんが言ったが、大竹さんは「あんたは良いかもしれないけど、連れて行ってくれる若い子たちが可愛そうでしょ。こんな身だしなみもできてない老人と歩かせられないよ!」と話し終わる前に、すでにカットし始めていた。
「じゃあ、わたしは衣装のほうねー」と、向井さんが洋服を探しに行った。
向井さんの旦那さんが楽に着られるようにと、後ろ身頃を全部、ストレッチにリメイクした洋服があるらしい。
「車椅子で出掛ける時、楽なようにって作ったんだけど、結局、着てもらえなかったのよ。大ちゃんに着てもらえて嬉しいわ。」と向井さん。
小さい丸襟のシャツにグレーのベスト、パンツはグレンチェックで蝶ネクタイも持ってきてくれた。
いつも、ジャージか寝巻きしかないおじいちゃんが、こんなおしゃれな洋服を着こなせるのか??
大竹さんは、おじいちゃんをツーブロックにするとようだ。
毛量があるから、かなり格好良くスタイリングできるはずと、楽しそうに髪の毛を切っている。
あれよあれよという間に、大竹さんと向井さんの力で、おじいちゃんは紳士の様な出で立ちに。
あの、おじいちゃんが、こんなに格好良くなるなんて!
大竹さんと向井さんは、魔法使いのようだ!!
おじいちゃんは、自分の姿を見ておらず、何がなんだかわからない様子だが、ヒャッキンに行けると、目をキラキラさせている。
「かなちゃん、ちょっといい?」と向井さんの部屋に呼ばれた。
向井さんの部屋の奥には、ウォークインクローゼットがあり、可愛い洋服やバッグや小物が沢山あり、まるでお店のようだった。
向井さんは着物も着るようで、チェックとか水玉などの可愛い柄の着物があった。
「かなちゃん、これ着てみない?」と、イギリスの兵隊さんがズラーッとプリントされたワンピースを持ってきてくれた。
とんでもなく可愛い!!
こんなの、あたしには着こなせない
さすがにジャージではないが、あたしも、おじいちゃんと似たような感じで、全くおしゃれではない
おじいちゃんのことは魔法にかけられても、あたしには・・・・・
「昔、痩せてた頃の洋服でね。この生地が可愛くて気に入ってたから、ずっと置いてたのよ。かなちゃんには、ちょっと大きいかもしれないけど、それも可愛いかなと思うのよ。」と向井さんが言ってくれた。
そして、いつの間にか大竹さんも来て、「これを着るなら、前髪あったほうが可愛いと思う。かなちゃん、前髪にクセがあるから伸ばしてるんだと思うけど、クセを活かして切れば大丈夫。だから切っちゃおうか?」と大竹さんの圧が凄くて断れず・・・。
あたしは、いつの間にか三つ編みまでしてもらい、草太さんがあたしを見て、「昭和レトロなお嬢様って感じだね」と言った。
「かなちゃん、私と足のサイズ一緒じゃない?これも履いてね」と向井さんが黒いエナメルのストラップシューズを貸してくれた。
お嬢様というものが、どんなものかわからないが、自然と姿勢が良くなってしまう
洋服を変えただけなのに、気分がこんなに変わるなんて・・・
あと、前髪を切ってもらったせいか、周りがよく見える
そして、なんとなく、あたしでも着こなせているような・・・
この二人の魔法使い、すごい!
「かなちゃん、これもつけてみて!」と、向井さんが布で作ったお花の髪飾りを持ってきてくれた。
着なくなった洋服の生地で作ったものらしく、ところどころレースがあり、これまた可愛いかった。
「なんて可愛いのー。わたしは、これにします」とT子が一番大きい花のを取った。
「テイちゃん、ごめんなさいね。お昼食べてないでしょ」と向井さんが言うと、「テレビ見ながらお菓子食べてたら寝てしまって・・・。妖精のお仕事を忘れてました。ごめんなさい。」とT子。
妖精のお仕事とは、散歩らしい。
「テイちゃん、今日は遅いから明日ね。大、早く行かないと夜になっちゃうよ。フミちゃん、お花はまた今度ね。はい、いってらっしゃい。」と大竹さんに促され、おじいちゃんと椎名の3人で出掛けた。
でも、1日で、おじいちゃんがこんなに変わるとは・・・
しかも、まだ今日は終わっていない!!
現在、夕方の16時。
100均に行ったことがないおじいちゃん。
説明するより連れて行ったほうが早いと、椎名と連れて行くことになった。
近くの100均は、ここからだと10分はかからないが、おじいちゃんでは何分かかるか・・・
なので、向井さんが車椅子を貸してくれた。
大竹さんが「車椅子は、病院の床みたいにツルツルしたところだと軽くて楽に動かせるんだけど、道路では、そんなに軽くならないのよ。男の人を乗せた車椅子は、特に重いだろうから、優くんが押してあげてね」と言った。
「あたしが押すので・・・」と久々、あたしが話すも、おじいちゃんがすかさず「俺がやるから大丈夫、大丈夫。手でこうやればいいんだろ?」と、車を回す仕草をした。
「片手でなんか出来ないよ。あと、大は身支度しなきゃね。」と大竹さんがハサミを取り出した。
おじいちゃんは、おばあちゃんが死んでから髪の毛を切っておらず、ボサボサになっていた。
「そんなのいいよ」とおじいちゃんが言ったが、大竹さんは「あんたは良いかもしれないけど、連れて行ってくれる若い子たちが可愛そうでしょ。こんな身だしなみもできてない老人と歩かせられないよ!」と話し終わる前に、すでにカットし始めていた。
「じゃあ、わたしは衣装のほうねー」と、向井さんが洋服を探しに行った。
向井さんの旦那さんが楽に着られるようにと、後ろ身頃を全部、ストレッチにリメイクした洋服があるらしい。
「車椅子で出掛ける時、楽なようにって作ったんだけど、結局、着てもらえなかったのよ。大ちゃんに着てもらえて嬉しいわ。」と向井さん。
小さい丸襟のシャツにグレーのベスト、パンツはグレンチェックで蝶ネクタイも持ってきてくれた。
いつも、ジャージか寝巻きしかないおじいちゃんが、こんなおしゃれな洋服を着こなせるのか??
大竹さんは、おじいちゃんをツーブロックにするとようだ。
毛量があるから、かなり格好良くスタイリングできるはずと、楽しそうに髪の毛を切っている。
あれよあれよという間に、大竹さんと向井さんの力で、おじいちゃんは紳士の様な出で立ちに。
あの、おじいちゃんが、こんなに格好良くなるなんて!
大竹さんと向井さんは、魔法使いのようだ!!
おじいちゃんは、自分の姿を見ておらず、何がなんだかわからない様子だが、ヒャッキンに行けると、目をキラキラさせている。
「かなちゃん、ちょっといい?」と向井さんの部屋に呼ばれた。
向井さんの部屋の奥には、ウォークインクローゼットがあり、可愛い洋服やバッグや小物が沢山あり、まるでお店のようだった。
向井さんは着物も着るようで、チェックとか水玉などの可愛い柄の着物があった。
「かなちゃん、これ着てみない?」と、イギリスの兵隊さんがズラーッとプリントされたワンピースを持ってきてくれた。
とんでもなく可愛い!!
こんなの、あたしには着こなせない
さすがにジャージではないが、あたしも、おじいちゃんと似たような感じで、全くおしゃれではない
おじいちゃんのことは魔法にかけられても、あたしには・・・・・
「昔、痩せてた頃の洋服でね。この生地が可愛くて気に入ってたから、ずっと置いてたのよ。かなちゃんには、ちょっと大きいかもしれないけど、それも可愛いかなと思うのよ。」と向井さんが言ってくれた。
そして、いつの間にか大竹さんも来て、「これを着るなら、前髪あったほうが可愛いと思う。かなちゃん、前髪にクセがあるから伸ばしてるんだと思うけど、クセを活かして切れば大丈夫。だから切っちゃおうか?」と大竹さんの圧が凄くて断れず・・・。
あたしは、いつの間にか三つ編みまでしてもらい、草太さんがあたしを見て、「昭和レトロなお嬢様って感じだね」と言った。
「かなちゃん、私と足のサイズ一緒じゃない?これも履いてね」と向井さんが黒いエナメルのストラップシューズを貸してくれた。
お嬢様というものが、どんなものかわからないが、自然と姿勢が良くなってしまう
洋服を変えただけなのに、気分がこんなに変わるなんて・・・
あと、前髪を切ってもらったせいか、周りがよく見える
そして、なんとなく、あたしでも着こなせているような・・・
この二人の魔法使い、すごい!
「かなちゃん、これもつけてみて!」と、向井さんが布で作ったお花の髪飾りを持ってきてくれた。
着なくなった洋服の生地で作ったものらしく、ところどころレースがあり、これまた可愛いかった。
「なんて可愛いのー。わたしは、これにします」とT子が一番大きい花のを取った。
「テイちゃん、ごめんなさいね。お昼食べてないでしょ」と向井さんが言うと、「テレビ見ながらお菓子食べてたら寝てしまって・・・。妖精のお仕事を忘れてました。ごめんなさい。」とT子。
妖精のお仕事とは、散歩らしい。
「テイちゃん、今日は遅いから明日ね。大、早く行かないと夜になっちゃうよ。フミちゃん、お花はまた今度ね。はい、いってらっしゃい。」と大竹さんに促され、おじいちゃんと椎名の3人で出掛けた。
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