第15話:長男誕生と株の儲け

文字数 1,577文字

 1998年が明け3月11日東京地検が日銀の吉沢安幸証券課長を収賄容疑で逮捕。その後、松下康雄・日銀総裁が辞意を表明。20日には後任総裁に速水優・日商岩井相談役についた。4月14日、1997年度の企業倒産が1万7439件になり負債総額が15兆1203億円で戦後最悪に。1998年9月27日、日本長期信用銀行系のノンバンクの日本リースが負債総額2兆4千億円で最大の企業倒産となった。

 1999年6月30日に利島岩男が奥さんを船橋の産婦人科に入院させた。その後、7月3日の早朝、利島岩男のところに産婦人科病院から電話が入り男子誕生と告げられた。それを聞くと直ぐに奥さんの実家と自分の親に男子誕生を知らせた。電話が終わると急いで利島岩男は奥さん入院している産婦人科に行った。そして、ご苦労さんと言うと奥さんは目を赤くして泣いた。

 奥さんの横に可愛い顔した子供が見えると利島岩男は声を殺して男泣きした。その後、その子が完璧な男になって欲しいと利島完一と名づけた。少しして利島岩男と奥さんの両親が病室に入り、子供の顔を見て写真を撮り喜んでくれた。そして、利島の母が昼間、子供の面倒を見に行ってやると言ってくれた。8月20日、第一勧銀、富士銀行、日本興業銀行の3行が2000年の秋に持ち株会社を設立を発表。

 そして、2002年春をめどに事業統合すると公表した。10月14日には住友銀行とさくら銀行が2000年4月までに合併と発表した。これが実現すれば、旧財閥の枠を超えた金融再編となる。10月15「国境なき医師団」にノーベル平和賞が授与された。10月21日、最高裁がリクルート事件で受託収賄罪に問われた藤波孝生・元官房長官の上告を棄却した。

 そして、懲役3年・執行猶予4年、追徴金4270万円が確定した。12月29日の早朝、証券会社の担当者から利島岩男に電話が入った。その電話で村田製作所株の気配値が24920円と高いと言われた。それを聞き村田製作所株の全株、成り行き売りを指示すると全株売れたと言われた。そして、口座残金が4938万円と言われた。

 2000年が明け利島良次は1月からララポート東京ベイの中の魚売り場に配属され魚の良さをアピールして販売実績を伸ばした。この頃、インターネット関連企業に投資が集中し「IT『情報技術』バブル」の絶頂期へ。2月22日にヤフー株が史上最高値の1億6790万円になった。その状況を見ていた利島岩男が証券会社の担当者に電話してヤフー株が下げたら買いたいので連絡して下さいと言った。

 それに対し、もしヤフー株が下げたらお知らせしますと言ってくれた。4月2日、小渕恵三首相が脳こうそくで緊急入院し、昏睡状態に陥った。4月4日、回復の見込みが立たず、小渕内閣が総辞職した。4月5日、自民党が後継の総裁に森喜朗幹事長を選出した。そして、自民、公明、保守3党による森連立内閣が発足した。その後、5月14日小渕恵三・前首相が死去、享年62歳。

 5月26日、第一ホテルが東京地裁に会社更生法の適用を申請し倒産し、負債総額が1152億円で旅館・ホテルの倒産としては過去最大となった。7月5日、三和銀行、東海銀行、東洋信託銀行が2001年4月をめどに経営統合すると発表した。これにより国内4位の銀行になる予定となった。7月12日、百貨店大手、そごうグループが民事再主法の適用を東京地裁に申請し倒産した。

 9月29日、日本初の銀行特殊会社、みずほファイナンシャルグループが発足した。2001年が明けると1月16日東京地検が財団法人「KSD中小企業経営者福祉事業団」がらみの受託収賄容疑で小山孝雄自民党参院議員を逮捕し、その後、1月29日に議員辞職した。1月23日、秘書がKSDから資金提供を受けたと追及された額賀福志郎・経済財政担当大臣が辞任した。
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