第1話九條殿の遺誡

文字数 675文字

抜粋して例示すれば。
1)言葉は慎むこと(暴言、無神経な言葉は、人間関係を崩す)
2)年少時には、読書及び習字に務めること「九條殿の遺誡」とは、摂関家の祖にあたる右大臣藤原師輔(908~960)が、子孫のために残した言葉である。
その内容は、当時の公家貴族にとって大切な一日の務めるべき行事予定を丁寧に記してある他、現代人いや、どの時代の人にも「その通り」と言わせるようなものが含まれている。
(他人に侮られないような知識を持ち、字を書く)
3)他人に対しては恭順な態度で接すること(偉ぶらない、傲慢な態度を見せない)
4)他人には家庭内のことを、みだりに話さないこと(余計なことを言わない)
5)仕事には真面目に取り組むこと(これは当然)
6)怒りの気持ちについては、顔に出さないこと(冷静さを保つべき)
7)衣服や車は、分に応じて、贅沢はするべきではない(これも当然)

しかし、その反面、彼の子孫は、
他者からすると、思っていること、考えていることが、読めない。
表面的には、温和、寛大、公明、無欲な態度であるけれど、実は、陰険、陰湿、狡猾、常に他人の失敗を探す、そういうことを続けながら、摂関家を独り占め、維持した人が多いようだ。(藤原道長に代表される)

ただ、現代の日本、自ら属する組織に置き換えて考えてみても、そのようなタイプは、やはり強い。
真っ正直に生きるタイプよりは、陰険と言われようと、上手に立ち回るタイプが強いのが実態ではないだろうか。
だから、この世で出世を望むなら、九條殿の遺誡や、摂関家の行動パターンは、守るべき遺誡、使うべき行動パターンとなるのである。



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