此岸と彼岸の狭間
作品に桐乃さんの気配が見え隠れしているようで、胸に迫りました。「此岸と彼岸の狭間」、桐乃さんはそういったものの描写が得意ですよね。主人公が、幸せから遠ざかろうとしていて切ないです。鬱蒼とした夜の森を歩く、幼馴染みとの邂逅はとても耽美。彼岸で九鬼と一緒になって欲しいような、この地に留まってささやかな幸せを積み重ねていって欲しいような、悩ましい気持ちになってしまいました。
汗ばむような湿気、でも心の中は自分は幸せにはなれないというような諦念で乾いているみたい。いつもながら流れるような、すらすらと身 ... 続きを見る
返信(1)