花と修羅

作者 桐乃桐子

[ミステリー]

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ゆめとうつつのあわいに。

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此岸と彼岸の狭間

作品に桐乃さんの気配が見え隠れしているようで、胸に迫りました。「此岸と彼岸の狭間」、桐乃さんはそういったものの描写が得意ですよね。主人公が、幸せから遠ざかろうとしていて切ないです。鬱蒼とした夜の森を歩く、幼馴染みとの邂逅はとても耽美。彼岸で九鬼と一緒になって欲しいような、この地に留まってささやかな幸せを積み重ねていって欲しいような、悩ましい気持ちになってしまいました。
汗ばむような湿気、でも心の中は自分は幸せにはなれないというような諦念で乾いているみたい。いつもながら流れるような、すらすらと身体に入ってくる文章、そしてもう少し読みたい!!というところで終わるのですよね~。『花と修羅』、桐乃さんにとって特別な言葉ですね。幻想的で美しく、それでいて狂おしさも感じ、しばし余韻に浸りました。ふう。

それから『真夏の夜の夢』は連載中なのですね。見目麗しい男女のやりとりがたまらないです~。浴衣姿とか、ビジュアルを想像してニヤニヤしました。更新楽しみにしています!(*^-^*)

返信(1)

佐久田さん、もしかしてほぼすべての拙作を読んでくださったのではないでしょうか。ほんとうにありがとうございます!
「此岸と彼岸の狭間」に心惹かれるものがあります。たぶん日常と隣り合わせに存在する、そのあわいに。この世に未練を残す、というと悲しいことのように思えますが、果たしてそうなのかなとも思うのです。そこまで強く心を残すものに出会えた人生、それをしあわせと呼ぶのでは、と思ったり。
この『花と修羅』はかなりむかしに書いたもので、そのときに読んでくださった方から「雨月物語のなかの『菊花の約(ちぎり)』を思い浮かべた」という感想をいただきました。主人公の性別を逆に想像してくださったようで。
魂だけとなってそのひとのもとへ会いにいく、端的にいってしまえばただの心霊現象となりかねませんが、ひたむきな想いの強さに心を揺さぶられます。
佐倉の性格や背景は、わたし自身をかなり投影したものになっているので、佐久田さんにそう感じていただけて光栄です。「花と修羅」ということばはとても気に入っています。「桐」という漢字と同じくらいに。(いちばん好きな漢字が桐なのです。ペンネームはそこから選びました)
『真夏の夜の夢』も読んでくださったのですね。ありがとうございます!
こちらは桐乃が好きな「こわい神さまの話」になります。現実では夏の暑さは苦手ですが、物語を書くときには夏のあのやたらと影の濃い不穏な気配が好きで、よく夏を舞台にしてしまいます。
細部まで掬いあげていただいて、いつも丁寧なご感想をありがとうございます。とてもうれしいです(*^^*) 貴重なお時間をいただいて恐縮です(ペコリ
体調も回復しましたので、満を持して『マジ・カン3』の感想を綴らせていただこうと思います!