三色旗と私
江戸時代の長崎における、オランダ人と丸山遊女のラブストーリー。
プッチーニのオペラ『蝶々夫人』から着想したものですが、物語は史実に基づいて構成しました。ナポレオン時代、日本ではフェートン号事件が起こります。出島という小さな土地に生きた人々。その思いを追体験して頂ければ幸いです。
(主要参考文献)
片桐一男『出島 異文化交流の舞台』集英社
『江戸時代の通訳官』吉川弘文館
羽田 正『興亡の世界史 東インド会社とアジアの海』講談社
永積 昭『オランダ東インド会社』講談社
石山滋夫『評伝 高島秋帆』葦書房
宮本由紀子「丸山遊女の生活」『駒沢史学』
斎藤阿具『ヅーフ日本回想録』雄松堂
ファンレター
「三色旗と私」、読了しました。
時代と国とに抗えない運命を背負いつつ、自分(たち)の想いをどれだけ実現するかという、
一つの普遍的なテーマが描かれていたのだろうと思いました。
なかなか瓜生野の心情に同化はできませんが、それでも迫りくるものはありました。
ヘンドリックについても、その苦悩が丁寧に描かれていたと思います。
最後にシーボルトとの関係を書かれていますが、ここも一つの長編にできそうですね。
それでシーボルトに比べ、ヘンドリックが現代日本に名を残していないことも、確かにそうで。
長崎の皓台寺は思案橋から入って、寺院が並んでいる通りの一つのようですね。
有名な思案橋ラーメンや、崇福寺には行ったことがありますが、
次に長崎に行くようなことがあれば、是非寄りたいと思いました。
それと、赤瀬浩「長崎丸山遊郭」も読了しましたが、
本作の参考文献として挙げられている中では、宮本由紀子氏の論文(かな?)からの引用がありましたが、
それ以外は出てきませんでした。購入の参考になさってください。
面白かったです。有り難うございました。
次は八王子城に登ってみます!
返信(1)
私としては最も時間をかけ、また思い入れのある作品なので、読んで頂けてうれしかったです。出島のあたりも随分調査が進められているようで、私が以前行った時とは変わっているようなので、私もまた長崎に行きたいです(笑)。
赤瀬浩「長崎丸山遊郭」の情報も、ありがとうございます。ダメ元で図書館にリクエストしてみようかな~(笑)。この手で何度か買ってもらえたこと、あるんですよ。
シーボルトについての小説は、すでにプロの作家さんがいろいろ出しているので、新機軸を見つけるのが大変そうなんですよね。逆にヘンドリックのことはほとんど取り上げられていないのが不思議です。来日オランダ人の方が「亡国の間も、日本だけはずっと三色旗を掲げてくれた」エピソードを知っているみたいですよ。
作品について、もし欠点が見えてしまうようなことがあれば、ぜひ教えてくださいね。人によって考え方は違うでしょうが、作品への真摯な批判と個人攻撃とは違うと思っていますので、私はご指摘大歓迎です。
本当にありがとうございました。八王子もお楽しみ頂けますように!