三色旗と私

[歴史]

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63件のファンレター

 江戸時代の長崎における、オランダ人と丸山遊女のラブストーリー。
 プッチーニのオペラ『蝶々夫人』から着想したものですが、物語は史実に基づいて構成しました。ナポレオン時代、日本ではフェートン号事件が起こります。出島という小さな土地に生きた人々。その思いを追体験して頂ければ幸いです。

(主要参考文献)
片桐一男『出島 異文化交流の舞台』集英社
    『江戸時代の通訳官』吉川弘文館
羽田 正『興亡の世界史 東インド会社とアジアの海』講談社
永積 昭『オランダ東インド会社』講談社
石山滋夫『評伝 高島秋帆』葦書房
宮本由紀子「丸山遊女の生活」『駒沢史学』
斎藤阿具『ヅーフ日本回想録』雄松堂

ファンレター

長崎、行きたか!

「三色旗と私」、読了しました。 時代と国とに抗えない運命を背負いつつ、自分(たち)の想いをどれだけ実現するかという、 一つの普遍的なテーマが描かれていたのだろうと思いました。 なかなか瓜生野の心情に同化はできませんが、それでも迫りくるものはありました。 ヘンドリックについても、その苦悩が丁寧に描かれていたと思います。 最後にシーボルトとの関係を書かれていますが、ここも一つの長編にできそうですね。 それでシーボルトに比べ、ヘンドリックが現代日本に名を残していないことも、確かにそうで ... 続きを見る

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十一章

おはようございます。 昨晩から今朝にかけて拝読しました。 フェートン号事件は僕にとって、よく分からないうちに終わった感がある史実でした。 本作のお陰で、やっぱりヨーロッパのいざこざをアジアに適用した相変わらずのお話であったことを理解しました。 そこにこのヘンドリックです! 人は落ち目にならないと他者に優しくなれないのかもしれませんが……。 赤瀬浩「長崎丸山遊郭」、まだ途中なのですが、 出島の章を先読みしてしまったところ、ヘンドリックとおようの名前を発見しました。 「三色旗と私」 ... 続きを見る

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第十章

あおぞらつばめさん、こんにちは。十章を拝読しました。 視点が目まぐるしく変わっていくのですが、それがスリリングな展開を見事に演出していると思いました。 その中でも最初の57話は印象深いです。これは女性作者でないと書けないです。 男性が書いても、飾りであり上滑りだと思いました。 「ここで会ったが百年目」で書かれていたように記憶していますが、 歴史ものにこういう視点を入れるのはものすごく大事だと思います。 そして、すみません。前回のレターでレザノフとラクスマンを僕が取り違えていま ... 続きを見る

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衰退の中で

56話まで拝読しました。ヘンドリックの心情を通して当時の国際関係を俯瞰する面白い内容でした。 後にしてくれ・2で話が完全につながる構造は、最初から仕組まれていたのでしょうか? ロシア、イギリス、そして次の新興国アメリカ。もはやオランダは風前の灯火。 そんな状態だからこそ、ヤパンのことも考えてくれるのかもしれませんね。 そしてレザノフへの想いも面白い。立場も似てるから……。 オランダと清と言えば、台湾の話もでてくるのでしょうか?  この先も楽しみです!

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オランダ盛衰史のような

こんにちは。40話まで拝読しました。 ヘンドリックの辿った道、という内容だと思います。 あの時代、世界を席巻したオランダ商人のことを分かりやすく説明していただいた印象です。 世界史、ニアリーイコール西欧史においては、一瞬の輝き的存在のオランダ。日本とは縁深いせいもあり親近感があるのですよね。 そのジャワを巡って、20世紀には激しい戦争をするのだから、どんだけの因縁かとも。 いよいよ長崎に来るところになるのだと思いますが、楽しみです。 有り難うございました。

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愛情の自覚

こんにちは。28話まで拝読しました。 現代的アレンジなのか、それともこのころから一般的であったのか、はたまたオリオノが特別なのか……。 ここまででは特に、おもんを巡るオリオノの感情に注目しました。 一時期「愛着障害」という単語が話題になりました。愛情をかけられて育ってこなければ、愛情を与えられない。 でも、ヘンドリックのオリオノへの眼差しは、オリオノ自身の欠損をむしろ否定し、愛情に満ちていた、と評する。 ものすごく大事な矛盾ですね。おそらくオリオノが自己省察も経て、この矛盾を消化し ... 続きを見る

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第一章

こんにちは。こちらの長編を読ませていただきますね! 今回は第一章です。田中優子「遊郭と日本人」、赤瀬浩「丸山遊郭」と読もう読もうと思いながら未読の書を思い出しました。 遊女の一人称、迫りくるものがありますね。同時に入りやすい表現なので、重すぎない。 出島はもはや溝を隔てたあっち、くらいの場所になってしまいましたが、こういうドラマを生み、抱えているところ。 いやー、本作をしまいまで読んだったら、長崎ば再訪したかとですよ! (僕の九州弁は、宮崎仕込みですので、少し違うでしょう) ... 続きを見る

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未村明さま

ありがとうございます! 船旅は経験がないので、やはり上の年代の方から聞いた話なのですが、飛行機とはまるで違う感動があったようですね。水平線に陸地が見え、異国の港町が次第に近づいてくる様子は、移動の実感を得られる貴重な経験なのだとか。ヘンドリックの時代、大航海時代よりはましになっているとはいえ、まだまだ大変だったみたいですね。追体験して頂けるとうれしいです(笑)!

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遅ればせながら

ヘンドリックの旅を追っています。臨場感ある描写で、勉強になることばかりです! 当時の航海は本当に地獄だったでしょうね。いま八十代の人たちはまだ船でアジアとヨーロッパを往き来した組で、ヘンドリックとアントンのことも遠い他人の話とは思えません。なかなか進まなくてすみません。楽しみに読ませていただいてます(*^-^*)

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南ノ三奈乃さま

最後までこんなに丁寧にお付き合い下さって、感謝の言葉もありません!! あつみちゃんが太宰治を生み出したのと同じように、私もおようにオランダの命運をつないだ役目を担わせたかったのです。多くの歴史小説で、ただオランダ人の慰み者にされて、病死してしまった遊女としか書かれていなくて、それが納得できなくて(笑)。 でもこんな風に読んで下さる方がいて、おようとヘンドリックも喜んでくれているんじゃないかという気がします。

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読み終わりました!

後半怒涛の展開!涙を流さず泣くタキチロー、おようとおことの和解、ヘンドリックの三色旗に対する誇り…印象的な場面の連続に、本当に鳥肌ものでした!歴史ものならではの圧倒的な感動、さすが「骨太小説賞佳作」はだてじゃないーーっていうか、これで「佳作」とは……あくまで個人の見解ですが、「受賞」でいいのにって思っちゃいました~^^。それにこんな長い作品なのに、実際に読んでいるとそれほど長い感じがしないのは、やはり一人称の巧みな語りの力でしょうか。良い作品を読ませていただきました。つばめさん、ありがとうござい ... 続きを見る

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南ノ三奈乃さま

痛いところです~(苦笑)。他の作品と平行して、ではありますが、2年以上かかってます。ちなみに他の歴史ネタを調べている最中でヘンドリック・ドゥーフの存在を知り、「こっちの方が素敵じゃない!」と急遽方向転換して書きました。 そんなに時間をかけているようじゃ到底プロにはなれないよ!と言われそうですが、ええ、分かってますとも(笑)! いいんです。作品の質を上げてこそ、ここに投稿する意味があるというもの。だからこそ他の方の作品でも、本当に良いと思うものに出会えたら、その出会いを大切にしたいと思っています ... 続きを見る

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どれだけ資料を調べて書かれるのか

どれだけ資料を調べて執筆されるのか、本当に隅から隅まで、いい加減に想像でやっつけたような所が全然なくて、すごいなあと思います。この作品、資料収集+執筆で、どのくらいの時間がかかったんでしょうか。

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南ノ三奈乃さま

マリア・カラスの歌まで聞いて下さったとは!! こんなにうれしいことはありません(涙)。 私はオペラ鑑賞も大好きで、そこからインスピレーションを受けることも多いんですよ~。そっちの方面でエッセイを書くのもありかな、などと調子に乗って思ってしまいました(笑)。 「ある晴れた日に」はレオンタイン・プライスさん(←まだご存命らしい)の歌も素晴らしいのでおススメです!

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本編中の白眉!

第57話「アリア「ある晴れた日に」」、正にこれまで読んできた中でのハイライト、本編中の白眉だと思いました!感動のあまり、youtubeで、マリア・カラスのアリア「ある晴れた日に」まで聴いてしまいました。聴いていると、つばめさんが創造したおようとヘンドリックが目に浮かんできます。すばらしい読書体験をさせていただきました!

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未村明さま

そこまで感情移入して頂いて、ありがとうございます(涙)! この先、ヘンドリック視点になるのでガラっと雰囲気が変わります。 果たして未村さまに満足頂ける結末になっているかどうか……厳しいツッコミ大歓迎です。引っかかる点があったらぜひぜひご指摘下さい!

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ラーケン

やっと31話まで読み終わりました。 もうやだ、この先は読みたくない(/_;) 幸せなまま終わってほしい。このまま幸せなままでいてほしい。読むけど。(大泣き)

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南ノ三奈乃さま

三奈乃さんに分かってもらえてうれしい~(涙)!! そうなのです。複数視点だからこそ引き立つ何かがあるような気がします。 バラバラの人生はここまで。この先は二人が協力して乗り越えていきます!

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ついに出会う二人!

ついにヘンドリック視点からのおようが…!感動です!複数視点にするとわかりにくいという声が出ることもあると仰っていましたが、とんでもない、複数視点だからこそのこの感動だと思います!長い時間の果てにやっとおように再会した気がしました^^

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南ノ三奈乃さま

いつもありがとうございます! そうなんですよ~。長崎ってすごいドラマがたくさん詰まった町なので、住んでいる人が うらやましいです(笑)。でも意外と江戸時代の長崎を描いた歴史小説はあまり多くないようで、 あってもファンタジー的に改変してあるか、あるいはシーボルトなど特定の有名人に集中している 印象があります。私はマイナーな人物を「発掘」することにやりがいを見出しているのかも(笑)。 欧米列強がやってくるのは、幕末が近づいてきてからの話ですが、その時に先に日本に馴染んでいたオランダは 特 ... 続きを見る

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