泡夢の記

[歴史]

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50件のファンレター

お殿様と家臣がケンカしちゃったら?

そりゃもう、大変ですよ。国が滅びるような大問題。幕府にも内緒にしなくちゃ!
だけど今の徳島県では、本当にそういうことがあったのです。正義感の強過ぎるこのお殿様、果たして皆さまに共感してもらえるでしょうか?
主人公は、名前の残っていない側室の女性に。知られざる郷土史の一つです!

(主要参考文献)
笠谷和比古『主君「押込」の構造 近世大名と家臣団』講談社学術文庫
石躍胤央ほか『徳島県の歴史』山川出版社
徳島県史編さん委員会『徳島県史 第一巻』徳島県
同         『徳島県史 資料集』
三宅正浩「藩政改革の政治構造」『史林』史学研究会 2007

※書影は、Canvaで作成させて頂きました(作者の写真ではありません)。

ファンレター

「鹿狩」の章読了

「鹿狩」の章読みました。すごく面白いです‼
実はこの作品、妖艶な女性の表紙が印象的でずっと気にはなっていたのですが、「紹介」の部分を読むと、いかにも本格歴史小説って感じだったので、読むのに心構えが必要な気がしていて、今日からやっと読み始めました。すみません…^^;
くノ一の一人称、すごく新鮮でした。従来の歴史・時代小説に出てくるくノ一って、作者が男性の場合が多いからか、「何考えてるかわからない神秘的な生き物」みたいな描かれ方がしばしばあるようですが、この作品は普通のひとりの人間として描かれていて、なんだか感動的です!
今日、私の『花狩』にいただいたコメントにも返信させていただいたのですが、一人称か三人称か、文体って本当に難しいですよね。歴史小説だから三人称って決まってるわけじゃないな、とつばめさんの作品を読んでいると感じます。
実は私、『竜馬がゆく』とか、途中で挫折しちゃったんです。あの小説は正直最初の一巻が一番面白くて、土佐の田舎出身の、ADHDみたいな青年が江戸に出てきて、道場のお嬢さんといろいろ…みたいなところは、ふんふんと読めたのですが、竜馬がだんだん偉くなっちゃって、それこそ「日本の夜明けぜよ!」みたいになってくると、なんだかもうついていけない(笑)…しかも、途中から司馬先生が竜馬そっちのけで延々と幕末に関する蘊蓄みたいなの語り出すんで、「ああ、もうダメ」となりました。でも、知り合いの中に、「ふだん小説なんか読まないけど、あれだけは読んで影響受けた」という人(男性)がいるんで、歴史蘊蓄話とかが好きな人には、逆にああいう所がたまらないんでしょうか。一時期、企業の社長さんとかが申し合わせたように、司馬遼太郎を座右の書で挙げていた時代がありましたよね。
もしつばめさんの作品のように、竜馬の一人称の物語だったら私も最後まで読めたのかな、と思うのですが…。つまり、三人称で歴史背景の説明が多すぎると、(私みたいな一般読者は)かえって離れてしまう場合もあるんじゃないかと思うんです。
そういう文体の問題を考えさせられる意味でも、また人間ドラマとしても、この作品とても面白いです!続き、じっくり読ませていただきますね~(^^)/

返信(1)

三奈乃さん、丁寧なコメント、本当にありがとうございます! そうそう、男性作家が描くくノ一って(くノ一に限らず、他の女性キャラもしばしばそうなんですが)男性の性的欲求を満たすだけの都合の良い存在になっていて、女性が読んでもさっぱり共感できないんですよね……(笑)。彼女たちにも喜怒哀楽があったはずだし、権力者に近づく時は何らかの下心もあったでしょうに。
私も司馬先生の作品には言いたいことがいっぱいあって、説明部分がどんどん伸びて主人公そっちのけになる部分では「そこまで脱線する!?」と何度突っ込んだことか(笑)。でもそれだけの知識量があるからできることであって、当時はそれが「すごい」「斬新だ」ということになったんでしょう。晩年は小説より紀行やエッセイになっていくことからしても、説明部分がいかに評判良かったかを物語っていますよね。
と司馬先生に文句ばかり言っている私ですが、実はけっこう影響も受けています。この作品の「お楽」も、司馬遼太郎『関ヶ原』に出てくる女性キャラ「初芽」そのままだったり。家康側の密命を受けて石田三成の元へ送られた初芽が、三成の男らしい誠実さに触れ、好きにならずにいられなくなって……こういうのは共感できます。人物の心の動きが、詳細な歴史的背景とともに語られるからこそ胸に迫ることもありますよね。
巨匠の作品にはほど遠いですが、私も頑張ってみます。できるだけ説明抜きで(笑)!