三色旗と私

[歴史]

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 江戸時代の長崎における、オランダ人と丸山遊女のラブストーリー。
 プッチーニのオペラ『蝶々夫人』から着想したものですが、物語は史実に基づいて構成しました。ナポレオン時代、日本ではフェートン号事件が起こります。出島という小さな土地に生きた人々。その思いを追体験して頂ければ幸いです。

(主要参考文献)
片桐一男『出島 異文化交流の舞台』集英社
    『江戸時代の通訳官』吉川弘文館
羽田 正『興亡の世界史 東インド会社とアジアの海』講談社
永積 昭『オランダ東インド会社』講談社
石山滋夫『評伝 高島秋帆』葦書房
宮本由紀子「丸山遊女の生活」『駒沢史学』
斎藤阿具『ヅーフ日本回想録』雄松堂

ファンレター

衰退の中で

56話まで拝読しました。ヘンドリックの心情を通して当時の国際関係を俯瞰する面白い内容でした。
後にしてくれ・2で話が完全につながる構造は、最初から仕組まれていたのでしょうか?

ロシア、イギリス、そして次の新興国アメリカ。もはやオランダは風前の灯火。
そんな状態だからこそ、ヤパンのことも考えてくれるのかもしれませんね。
そしてレザノフへの想いも面白い。立場も似てるから……。

オランダと清と言えば、台湾の話もでてくるのでしょうか? 

この先も楽しみです!

返信(1)

村山さん、丁寧に読んで下さって感謝、感謝です!
そうなんです。女性、それも遊女であるおようの視点では当時の国際関係まで説明できないので、ここはヘンドリックに語ってもらいました。オランダの「落ち目」っぷりを隠さねばならない葛藤は、この後も彼を苦しめます。
「後にしてくれ2」で話がつながる構造は、プロット段階では考えていなかったのですが、書いているうちにこうなりました。まったく異なる二つの文明がぶつかるのと、普通の男女の恋愛が始まるのと、イメージを重ねたかったんですよね。
レザノフは新大陸で出会った恋人と、もう二度と会えなかったようです。恋人の方は生涯独身を通したらしく、このカップルはヘンドリック達以上に悲劇的結末をたどったと言えるのかもしれません。
台湾占領については時代が違うので、この作品では触れていませんが、他の作品(実はなかなか書き進まないのが一つあるんです)で登場させる予定。気長にお待ちいただかなくては……(苦笑)。
長い作品にお付き合い頂き、本当にありがとうございます。続きもお楽しみ頂けますように!