逢魔が食堂にようこそ~マジカル・カンファレンス~

[恋愛・ラブコメ]

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地方国立理系大学近くのアパートと、併設する食堂を舞台にした青春群像劇。
第1章 念願の大学に合格した近藤優名。入居するアパートは心理的瑕疵物件らしいけど、私は霊感無いから問題ないよね……導入部の切ない心霊現象。
第2章 高校時代はガリ勉陰キャだった村瀬芽依。大学進学で心機一転、友達や地域住民とふれあいながら、子ども食堂の学習支援を始める。実は深夜アニメ『マジカル・カンファレンス』のサブキャラに激似だったため、モテ期到来。束縛彼氏やストーカーなど。 

ファンレター

悲喜こもごもてんこ盛り

最後まで読破してからコメントしようと安易に考えたわたしが愚かでした。ほかの方がされているように、要所要所で区切るべきだった、と気づいたときにはもう止まらず。勢いでラストまで駆け抜けました。
だって、章ごとに発生するイベントが予想外すぎて毎回驚きの連続なうえ、魅力的な登場人物たちの言動が逐一わたしに刺さってきて。あまりの情報量の多さに、桐乃の頭はパンク寸前でした(笑)
とてもおもしろかったです!
第一章の余韻がすごくて、しばらくそれを引きずり、ようやく村瀬さんに感情移入できたのは、彼女がナチュカに単身乗り込んでエビデンスを要求したくだりからでした。怪しげなエセ科学を斬って捨てるためだけではなく、あの先輩のために怒りをあらわにした彼女の凛々しい姿に、横っ面をはたかれたように目が覚めました。そうだ、いまの主人公はこのひとなんだ、と。
成田くんの父親を訪ねた帰り、そのあとで、養育費をもらうべきと主張する先輩たちに対して「あの父親にはもう関わらないほうがいいと思う。将来的に成田くんが損をすることになる」と訴えた村瀬さん、わたしもまったくそのとおりのことを考えていたので、俄然、彼女に親近感を覚えました。養育費を払うのは親の義務だという意見は至極もっともですが、そもそも義務をまっとうできる人間なら子どもの学資ローンを掠め取って逃げるような真似はしないし、こちらがルールを守っていても平気で反則技を仕掛けてくる人間は存在します。
村瀬さんのことばはすこしキツかったかもしれませんが、一理あると思うので、それがきっかけで先輩との関係がぎくしゃくしてしまったのがほんとうにつらかったです(>_<)
それにしても、ガースー、彼はめちゃくちゃいいキャラですね!今作のなかでいちばん好きなのは、じつはガースーでした(笑)
鉱物オタクで、一般的には「残念なイケメン」と評されてしまいがちな彼ですが、いやいや、なんのなんの。聖ちゃんへのアプローチの仕方といい、その後の言動といい、一貫して男前なふるまいに惚れ惚れしちゃいました。ただ、他意はないのはわかるけれど、聖ちゃんの目の前で村瀬さんを無邪気に誉めるのは控えたほうがいいと思うよ、と思わず「あちゃー」と天を仰いでしまいました。女の子って複雑ですもん。
最終章、ガチオタ軍団登場からの怒涛の展開は見物でした。この内容を淡々と、でもオタクたちの熱量がひしひしと伝わる描写で表現できるのは、この世広しといえども佐久田さんだけではないでしょうか。これぜったい楽しんで書いていらっしゃる、と勝手に確信しております(笑)
先輩には困ったものですね。パワーバランスが崩れて主導権を握ったつもりでいても、結局は先輩のほうが村瀬さんにめろめろなんじゃないの、と微笑ましくなりました。
順序が逆になりますが、子ども食堂での日々も、なぜか自分も子どもたちのうちのひとりになった気持ちで読んでいました。家すらも安寧の地ではない子どもにとって、この場所がどんなに大事なものか。自分を見てくれるだれかがひとりでもいるだけで、どれほどの力になるか。勉強という「道具の使い方」を身につけて、逆境にめげずに未来を切りひらいて自分の翼で羽ばたいていってほしいと願うばかりです。
ほんとうに、不思議な土地ですね、この場所は。いろいろなものがあたりまえに共存していて。功徳を積んだひとにはちゃんと恩恵があって、結果的に、村瀬さんも先輩もそのおかげで守られていて。そんな土地柄なのに、エセ科学や胡散臭い新興宗教が幅をきかせているのも、妙にリアルといいますか(笑)
アニメ版『マジ・カン』とはまた違った魅力があって、楽しませていただきました。
あっ、雪女こと小出さんの過去も衝撃でしたが、彼女にはやがて春が訪れるとわかっているのでひと安心です。
あと、子ども食堂にやってくるトウイくん、彼は『俺と兄者とヨーダと』に出てくる兄者とは別人でしょうか?珍しい名前なので、ひょっとして、と思ったのですが。性格は違うといえば違うような気もするので、もし同名の別人だったらごめんなさい(>_<)
長々とすみません!わーん、ぜんぜん簡潔じゃないよー!(。>д<)

返信(2)

ああ、またやってしまった(汗)そういえば「トウイ」君、いましたね。登場人物の名前のうっかり使い回しでした~ホントに記憶力がヤバい~スルーしてください、スミマセン。
気を取り直して……桐乃さん、こんなに丁寧に読んでいただいて、そして身に余る言葉の数々、本当に感謝です。
ガースーを気に入っていただけて嬉しい。男性陣に華がないので、ガースーだけは(残念な)イケメン設定にした甲斐がありました。私、ちょっとズレた理系の男がタイプなのです。
それから、お互い好きなのに些細な意地の張り合いや誤解で、まさしく「ぎくしゃくする」ってのをどうしてもやりたくなって、養育費を巡って諍いを入れたのですが、こういうキツいことを言うヒロインはどうかなぁと思っていたので、コメントにホッとしました。
最終章の愛すべきガチオタ軍団の描写と、(ちょい)エロシーンはノリノリですよ。実は私、ちょいエロ回は読者サービスのつもりだったのですが、日常回とPVがさほど変わらないので、ちょっと認識を改めた記憶があるんですよね……まあ、私の場合、エロシーンも淡々としているんでしょうね(笑)。
子ども食堂について、本当に桐乃さんの言うとおり「居場所」って大切! それから「勉強という「道具の使い方」を身につけて」……まさしくそれ! 無知蒙昧では社会に出てずっと搾取されてしまう。いろいろ盛り込んだ話を、「妙にリアル」との言葉、現実部分はリアルにしたかったのでとても嬉しいです。励みになる熱いコメントを、本当にありがとうございました!(^_^)/

【桐乃沼にハマったきっかけ】
『チェックメイト』で裏のある男(サイコパス味がたまらん)が、「人形師」の章で “好きな女を手に入れるため、他の男に抱かせる”というシチュエーションに「おお……」と驚いて、それが次の日くらいにジワジワきて、ちょっとした拍子にそれを思い出して悶々として、今思うと、多分あのとき、“桐乃沼”にハマったのだと思います。続けて『きみは知らない』の「きみが抱いた同じ身体を抱くのは興奮した」にまたまた私も興奮しました。どうして私の趣味趣向をご存じなのかしら? それとも桐乃さんの作品が私の扉を開けちゃった? 桐乃さんの読者(私への)サービスが微に入り細に入り、たまりませんよ!
それから今日、『それは恋、もしくは愛』を読み出しました。昔からの桐乃さんファンの方がいらっしゃる……! 桐乃さんはとても愛されている人気作家さんなのですね、ますます憧れちゃいます。大切に読みますね。(*^-^*)
(コッソリ)しつこくすみません。ちょびっとだけ失礼します。
トウイくん、そうでしたか。兄者よりすこしヤンチャな口調ではあったので、別人かなという気もしておりました(>_<)
そして、サービスちょいエロシーンは、きっと、ふつうの日常の場面がじゅうぶん濃く読みごたえがあるので、読者のみなさまはエロだけに特化せず全体的にまんべんなく楽しまれているのではないかなと思います。とはいえ、ごちそうさまでした(*ノωノ)キャ

【沼について】
ひぇ、ありがとうございます(>_<)
ヤンデレのサイコパスばかり書いていて桐乃はヤバいやつやん、と思われていなくてよかったです!表面的にはふつうなのに思考回路が暴走している男性キャラを書くのが好きです。もし現実にいたら即通報案件ですが(笑)
佐久田さんと趣味嗜好が似ていてうれしいです(*´∀`*)ポッ
『それは恋、もしくは愛』も読んでくださっているのですね。ありがとうございます。たぶんわたしがいま公開しているなかでいちばん長いお話ではないかと思うので、ご無理なさらず、のんびり読んでいただけましたらうれしいです。
たびたびすみません。お邪魔いたしました(ペコッ