オペラを見て死ね!

[創作論・評論]

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67件のファンレター

何となく敷居の高い、オペラの世界。だけど分かるようになってくると、断然面白いのです!
というわけでチャットノベルで「物語」を、引用した動画で「歌や音楽」をお伝えする試みに挑戦します。芸術だからとかしこまらず、ツッコミ満載で楽しんでみるのもアリではないでしょうか。
まずは親しみやすく、上演頻度の高い演目から。あくまで一ファンの立場からのご紹介で、内容は初心者向けです。よろしくお願いします。

表紙写真:パリ・オペラ座(ガルニエ宮)

ファンレター

新章、楽しみにしてます

あおぞらさん、2021年は楽しく交流してくださり、どうもありがとうございました。2022年もどうぞよろしくお願いします!!

「椿姫」篇、完結おつかれさまでした^^
27話でご紹介の場面、舞台の映像を見ていたとき、アルフレードの歌声が遠くから聞こえた(舞台袖で歌っていそうな)ので、わたしは彼女の屋敷のお庭とか窓の下とかで彼が求愛している場面だと思っていました。ロミオとジュリエットでおなじみの場面と同じように。でも、あおぞらさんの解説をお読みすると、これはヴィオレッタがアルフレードを思い出している、という演出なのですね。なるほど~と思いました^^
オペラと原作小説との結末の違いも驚きで、新しい発見をありがとうございます。ヒロインのモデルとなった実在の女性の歴史や、小説との比較を詳しく知ることが出来るのは、あおぞらさんの作品ならではですね!

ヴェルディの「レクイエム」もオペラではありませんが、名曲ですね。「怒りの日」のインパクトはすさまじいものがあります。イタリアのリソルジメント(国家統一を目指す革命運動、1830年代~1870年)時代の音楽は、教会音楽もすごく派手なんですよ。この時代に建造された歴史的オルガンには、シンバルや太鼓がオルガンに付属していたり(オルガニストが手鍵盤を弾きながら足で操作すると打楽器が鳴る機構)、ドイツやフランスのオルガンとは全く違う進化をとげています。カトリックのミサでシンバルを打ち鳴らす派手な演出って、日本人には想像できないですよね!? でも、実際にあったんです。だから、ヴェルディの「レクイエム」は時代の息吹を感じますね。
リソルジメント時代の作曲家で有名な、ベルガモのダヴィデ神父(Padre Davide da Bergamo) が作曲した「エレヴァツィオーネ ニ短調」(Elevation in D minor)は冒頭にオペラのようなレチタティーヴォがあるドラマティックな楽曲ですが、聖餐式の聖体奉挙のための音楽なんです。ダヴィデ神父はサンタ・マリア・ディ・カンパーニャ・バジリカ聖堂の司祭兼楽長を務めながら、モーツァルトの「魔笛」やロッシーニの「泥棒かささぎ」など、多くのオペラ音楽をオルガン独奏用に編曲しています。教会音楽にもオペラ音楽の影響が多々あったのだな~と感じますね。
新章はモーツァルトですね! 引き続き楽しみにしています^^

返信(3)

mikaさん、こちらこそ昨年はお世話になりました。今年もよろしくお願いします。
さすがmikaさん、教会音楽の知識が半端じゃないですね! 打楽器付きのオルガンの演奏、迫力がありそう。すごく面白そうです。演奏する人は大変そうですが……(笑)。
「エレヴァツィオーネ 二短調」、聞いてみたいのですが、オルガン独奏の動画しか見つけられませんでした(でも、すごく素敵な曲でした!)。「魔笛」や「泥棒かささぎ」も、オルガンバージョンは聞いたことがありません。探してみたいと思います。情報、ありがとうございます!

『椿姫』の、アルフレードの件。舞台袖で歌う演出はいろいろな演目で見られます(たとえば『カルメン』のホセの「アルカラの竜騎兵」)。アルフレードの歌声も、演出によってはmikaさんの解釈の方が正しいかもしれませんね。ここでは、ヴィオレッタの記憶に残る歌声とした方がしっくりくるような気がしたので、そうさせてもらいました^^。
モーツァルトの章も、お楽しみ頂けると幸いです。今後ともよろしくお願いします。
あおぞらさん、ダヴィデ神父のElevazioneを聴いてくださったのですね! ありがとうございます。
そうなんです、この曲はオルガンソロ用の作品です。でも、楽譜の冒頭部分にRecitativoという指示が太字で書いてあるんですよ。さらにa foggia di recitativoという指示も小さく書いてあって、ダヴィデ神父はオペラの歌唱のように弾いてほしいと意図していたことがよく分かります。
このような自由で即興的な曲の始まり部分(フーガの前の部分)は、ブクステフーデやバッハなどの北ドイツ楽派のオルガン曲なら、トッカータと書くところです。そこをレチタティーボと指示するのが、ダヴィデ神父らしいなと思います。

リソルジメント時代の作曲家の一人、ジュゼッペ・ゲラルデスキ(Giuseppe Gherardeschi)のオフェルトリオ(Offertorio)も、すっごく派手な曲で、ちょうど鳴り物が入った演奏動画がありましたので、お時間あるときに聴いてみてください^^
https://youtu.be/6XRG72pNPpM
オフェルトリオは聖餐式の始めにパンとぶどう酒を祭壇にささげる聖体奉献のための曲なんです。日本人が抱きがちな、厳粛で荘重な教会音楽のイメージとは真逆ですよね(笑)
ダヴィデ神父やゲラルデスキの曲を聴くと、ヴェルディの「レクイエム」だけが突出してヘンに派手すぎるというわけではなかったのだな、と感じます。教会に集う人々が、こういう華やかで派手な音楽を求めていたから、作曲家たちはそれに応えていたのだろうな、と思います^^
mikaさん、ゲラルデスキのオフェルトリオ、聞きました! いや~、ほんと派手ですね(笑)。シンバルと鈴が印象的。教会音楽にこんなものがあるなんて、驚きでした。
この時代は劇的なものが好まれたんでしょうね。日本人が知らない西洋音楽が、まだまだあるんだなと思いました。
レチタティーヴォは、まさにオペラの物語部分という感じですから、それだけ「語って欲しい」という作曲者の意図が感じられますね。教会に来る信者さんに伝えたいメッセージがあったのかも?
またいろいろ教えて下さい^^。ありがとうございました。