暗礁上の詠唱・真砂タウンガイド

[SF]

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地方都市、黒松県黒松市常世町。
大企業真砂グループの本社と先端半導体部門が移転し、自然あふれる最先端テクノロジータウンに生まれ変わった、通称真砂タウン。
夏休みに転入してきた少女を巡る、ガールミーツガール、ガールミーツボーイ。
一癖も二癖もある真砂会長の孫たちや、バーチャルアイドル仕立てのチャットボット「ナラティブ・リーディング・メロディ」との、夏休みイベントダイアリー。

ファンレター

他者の関心をひくためには手段を選ばない……

川本さんや如月さんと同じく、わたしもすぐに検索しました。そして絶句。
代理ではなく、自分自身を傷つけたり病気を装って他者の関心や同情を集めたがる心理が存在するのは知っていましたが、まさかこんなことが。
ひどい。ため息がこぼれます。
ネタバレになってしまうのであまり詳しくは書けませんが、こどもをダシに、というか都合のいい道具のように使って、相手にプレッシャーをかけたり自分の望みどおりに操ろうとするようすが、えげつないです。そうせざるを得ないくらい精神的に追いつめられているのかもしれませんが、ひととして、やっていいことと悪いことがあります。
神崎さんは、なんらかの犯罪に巻き込まれて、その加害者やそれまでの環境から距離をおくために引っ越してきたのだろうと想像しておりましたが、まさか、それが身内とは。
彼女の受けた傷を思うと胸が痛みます。

今回この病理について検索したなかで、被害に遭ったこどもが病院に入院中にもかかわらず、付き添いの身内からさらに危害を加えられたという事例を目にしました。監視カメラによる証拠や現行犯でない限り、症状の原因が判明することは難しいということ、それもあって被害者の致死率が高いということも。
神崎さんはサバイバーですね。でも、傷はまだ生々しく血を流している。無理もないです。
記憶の底に押し込めていた過去のできごとが断片的に蘇ってきて、その反動で無気力になったり、もうどうでもいいやと投げやりな気分になってしまうのは、過去の体験をまともに受けとめたら身がもたないから、なのかもしれません。自分が壊れてしまわないように意識が霧散しているのかも。
いまの神崎さんのそばに川本さんや如月さんがいてくれてよかった。もちろんメロディさんも。メロディさんとの対話が記憶の蓋が開くきっかけになっただけで、メロディさん自身に非があるわけではないですよね。
固唾を飲んで、続きをお待ちしております。

返信(1)

桐乃さん、「他者の関心をひくためには手段を選ばない」まさしく、です!
他人の評価で自分を確認するなんて、自分が空っぽにも程がある。
そして自傷ならまだしも、自分のエゴで子どもを道具のように扱うなんて、あり得ないです。

私も検索した中で読みました、入院中にも骨折させたり、子どもの点滴に不純物を入れたり。複数の病院の医師が「病院内での虐待」を体験していること、そして発見が難しいということを。
それから外国のケースですが、母親からずっと「あなたは難病だ、知能に後れがある」と洗脳されてきた事例。子どもを自分の所有物として支配下に置こうという魂胆でしょうか、子どもに呪いをかけてコントロールするなんて、悪寒が走ります。許されざる所業ですよね。

桐乃さんが書かれた「記憶の底に押し込めていた過去のできごとが断片的に蘇ってきて~」からのくだりに衝撃を受けました。
以前読んだ精神科医のエッセイに薬物依存症の女性の症例が出ていたのですが、そこに書かれていたトラウマ記憶の苦痛の有様が、まさに桐乃さんの表現通りだったのです。さすがの洞察力と見識……。
後味の悪い回が続いたと思いますが、真摯に読んでいただき、深い考察に頷きながら読みました。
ありがとうございました!