三色旗と私

[歴史]

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63件のファンレター

 江戸時代の長崎における、オランダ人と丸山遊女のラブストーリー。
 プッチーニのオペラ『蝶々夫人』から着想したものですが、物語は史実に基づいて構成しました。ナポレオン時代、日本ではフェートン号事件が起こります。出島という小さな土地に生きた人々。その思いを追体験して頂ければ幸いです。

(主要参考文献)
片桐一男『出島 異文化交流の舞台』集英社
    『江戸時代の通訳官』吉川弘文館
羽田 正『興亡の世界史 東インド会社とアジアの海』講談社
永積 昭『オランダ東インド会社』講談社
石山滋夫『評伝 高島秋帆』葦書房
宮本由紀子「丸山遊女の生活」『駒沢史学』
斎藤阿具『ヅーフ日本回想録』雄松堂

ファンレター

愛情の自覚

こんにちは。28話まで拝読しました。
現代的アレンジなのか、それともこのころから一般的であったのか、はたまたオリオノが特別なのか……。
ここまででは特に、おもんを巡るオリオノの感情に注目しました。

一時期「愛着障害」という単語が話題になりました。愛情をかけられて育ってこなければ、愛情を与えられない。
でも、ヘンドリックのオリオノへの眼差しは、オリオノ自身の欠損をむしろ否定し、愛情に満ちていた、と評する。
ものすごく大事な矛盾ですね。おそらくオリオノが自己省察も経て、この矛盾を消化し、自己を肯定するのかな。

赤瀬浩『丸山遊郭』を入手したので、併読していきたいと思います。文化や日常生活も興味深い。
凧あげは確か遠藤周作の『女の一生』で読んで楽しそうだなあ、と思った記憶があります。

引き続き読ませていただきます! 有り難うございました。

返信(1)

村山さん、メッセージありがとうございます! この部分、私も迷いながら書いた部分です。ヘンドリックは何人もの遊女と関係を持っていたようなんですが、その中でもオリオノは特別だったみたいで。理由は分かりませんが、彼女自身に他の遊女と「何か違う」と感じさせるだけのものがあったんだろうと思うのです。彼女の愛情に関する矛盾は、物語の後半で伏線回収したつもりなんですが、村山さんが説得力不足だと感じられたら遠慮なくご指摘下さい。なるべく直します(笑)。
赤瀬浩『丸山遊郭』は、最近出た本ですよね? 私は読んでいないので、こちらももし矛盾する内容が出てきたらぜひ教えて下さい!
丁寧に読んで下さって、本当にありがとうございました。